朝日日本歴史人物事典 「高市大国」の解説
高市大国
奈良時代の官人で,東大寺大仏鋳造作業の中心的人物。名は真国とも書く。大和国の人。天平19(747)年から始まった大仏の鋳造に大鋳師として従事し,その功により20年,外従五位下に昇り,連姓を賜った。天平感宝1(749)年に外従五位上,従五位上,2年に正五位下と昇進したが,それは大仏鋳造の節目ごとに,その中心として働いたことによって加階されたものと推定される。『東大寺要録』は,最終的に従四位下まで昇って東大寺の領掌となり,河内守も兼ねたと記している。
(橋本義則)
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