デジタル大辞泉 「鬱悒い」の意味・読み・例文・類語
いぶせ・い【鬱=悒い】
1 気分が晴れず、うっとうしい。気づまりである。
「天井は―・きまで低し」〈鴎外訳・即興詩人〉
「ひさかたの雨の降る日をただ独り山辺にをれば―・かりけり」〈万・七六九〉
2 むさ苦しい。汚らしい。見苦しい。
「屋並の揃わない小家つづき…、あたりは一層―・く貧し気に見える」〈荷風・つゆのあとさき〉
「帯が垢付いて―・い」〈浮・妾気質〉
3 心がいたみ気がかりだ。
「心苦しう―・くて、二とせをおくりつる心のうちを書き給ひて」〈平家・一〇〉
4 対象となる人や事物が、いとわしくていやだ。不快である。
「やがてその興つきて、見にくく、―・く覚えければ」〈徒然・一五四〉
5 恐ろしい。気味が悪い。
「見る目―・き呵責のせめ」〈浄・忠臣講釈〉