魏金枝(読み)ぎきんし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「魏金枝」の意味・わかりやすい解説

魏金枝
ぎきんし / ウェイチンジ
(1900―1972)

中国の作家。本名魏義雲(ぎぎうん)。浙江(せっこう/チョーチヤン)省嵊(じょう)県の貧農出身。浙江第一師範に学び、晨光(しんこう)文学社に参加、詩作を始め湖畔(こはん)詩社とも関係をもつ。小学校教師などをするかたわら、小説を書き、『小説月報』『莽原(もうげん)』などに投稿。田舎(いなか)の沈滞した雰囲気を描写した『留下鎮(りゅうかちん)の黄昏(たそがれ)』(1925)や第一小説集『七通の手紙による自伝』(1928)は魯迅(ろじん/ルーシュン)の称賛を受ける。1930年柔石(じゅうせき)の紹介で中国左翼作家連盟に参加、『萌芽(ほうが)』の編集を助ける。解放後『文芸月報』『上海(シャンハイ)文学』『収穫』などを編集。文化大革命中虐待を受け病死した。『奶媽(うば)』(1930)、『短篇(たんぺん)小説集』(1954)、『編余叢談(そうだん)』(1962)などがある。

[近藤龍哉]

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