鶏冠壺(読み)けいかんこ(その他表記)Ji-guan-hu

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鶏冠壺」の意味・わかりやすい解説

鶏冠壺
けいかんこ
Ji-guan-hu

中国遼寧省内モンゴル自治区から出土する遼 (10~12世紀) の陶器。器体上半部が扁平につぶれ,その一方に注口があり,これに連なって鶏冠状の取手がある。この形態をとって鶏冠壺と呼ばれ,白釉,緑釉,三彩などの施彩がある。その形状から皮袋を模倣したものといわれる。

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世界大百科事典(旧版)内の鶏冠壺の言及

【遼三彩】より

…赤土に白化粧して,透明釉・褐釉・緑釉がほどこされた遼三彩は独特のひなびた鮮やかな釉色にくっきりと焼きあがり,魅力が深い。鶏冠壺,長頸瓶,水注,盤,碗,暖盤など,器種もゆたかであるが,実用というよりはおもに有力者の墓葬に副葬された明器(めいき)であったと推測される。遼における三彩づくりは1060年代から1100年前後に沸騰するように量産され,金によって1125年に滅ぼされるとまったく絶えてしまったと思われる。…

※「鶏冠壺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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