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三彩 さんさい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

三彩
さんさい

陶磁用語。上絵付けに鉛の白,銅の緑,鉄の黄の3色の (うわぐすり) を用いた低火度の焼物。このほかコバルト釉の藍色のものもある。中国,唐~明代に作られ,日本でも奈良~平安時代初期に作られていたが,唐三彩が最も有名。渤海や日本の正倉院に伝わる壺,鉢,皿などの三彩は唐三彩を模したものであるが釉調,作風,胎土などは唐三彩に及ばない (→奈良三彩 ) 。また平城宮,平安宮などから瓦,鉢などの三彩が出土し,古窯址も発見されて,日本でも三彩を生産したことが実証された。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

三彩

緑色や褐色など3種類のうわぐすりをかけて彩色を施した陶器。中国の唐代に作られた「唐三彩」が有名。器や人物、動物などがあり、墓の副葬品に使われることが多い。唐に先立つ北斉の鉛釉陶器がルーツとされ、北方の遊牧騎馬民族がシルクロードを通じて西域の文化をとり入れ、漢民族の文化と融合させたとの見方もある。日本では奈良時代に唐三彩をまねた「奈良三彩」が作られた。

(2013-06-18 朝日新聞 夕刊 1社会)

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デジタル大辞泉の解説

さん‐さい【三彩】

低火度溶融の色釉(いろぐすり)を施した陶器。3色とは限らず、2色・4色のものも多い。中国唐代の唐三彩で技法的に熟成。日本にも奈良三彩があるほか、ペルシア・エジプトなどでも作られた。

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百科事典マイペディアの解説

三彩【さんさい】

緑,褐,白などの鉛(ゆう)を施し,低火度で焼成した軟陶。灰を溶剤とした高火度のものもある。色数が2色もしくは4色でも一般に三彩と呼ぶ。中国の唐三彩が名高く,渤海,遼,宋,元,明の三彩,さらに清の素三彩,交趾(こうち)焼がある。
→関連項目【けい】州窯

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世界大百科事典 第2版の解説

さんさい【三彩 sān cǎi】

陶器の加飾法の一つで,その加飾された陶器をも指す。三彩は三色で彩られることを意味するが,陶磁用語としては釉色の数にはかかわらず,一つの器に2種類以上の色釉がほどこされたはなやかな陶器をさす。この色釉は鉛を溶媒剤に使った鉛釉を基礎釉とし,他の釉の掛け合わせは原則として三彩とは呼ばない。白地透明釉,藍釉,緑釉,褐釉などが代表的な色釉である。 三彩は東洋陶磁独特の焼物であり,はじめ中国の後漢時代に華北ではじめられた。

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大辞林 第三版の解説

さんさい【三彩】

低火度溶融の釉うわぐすりを用いた陶器。三色とは限らない。盛唐期の唐三彩に始まり、遼三彩・宋三彩・交趾こうちなどがある。日本でも古く奈良三彩があり、またイスラム陶器などにも類似のものがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

三彩
さんさい

陶器に2種以上の色釉(いろゆう)を染め分けた加飾陶器の称。この色釉には低火度で焼ける鉛釉が使われる例が多く、習慣上、高火度釉を一器に数種かけ合わせても三彩とはよばない。鉄呈色で褐釉、銅呈色で緑釉、コバルト呈色で藍(らん)釉、そして呈色剤のない透明釉が三彩陶の基本の釉(うわぐすり)である。
 中国では早くも前漢時代(前202~後8)に始源的な三彩が試みられ、六朝(りくちょう)時代末期の6世紀後半には、白色の胎土に透明釉をかけ、緑釉を垂らし込む唐三彩の技術母胎が完成し、唐朝に入った690年ごろから貴族趣味に合致した豊麗な唐三彩が熟成した。以後三彩は終始焼造され、宋(そう)三彩、遼(りょう)三彩、元(げん)三彩、明(みん)三彩、法花(ファーホワ)(ソーダ水を含む半強化釉を用いた特殊な三彩)などが系譜を連ね、明後期には磁胎に三彩釉を施す素(そ)三彩が流行した。また中国以外でも、この中国の技法を受けて、渤海(ぼっかい)三彩(渤海国)、新羅(しらぎ)三彩(朝鮮半島)、奈良三彩(日本)、ペルシア三彩(西アジア諸国)などが8~9世紀につくられた。[矢部良明]

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世界大百科事典内の三彩の言及

【新羅三彩】より

…朝鮮,統一新羅時代につくられた,三彩釉を施された陶器。遺品は数少なく,大韓民国国立中央博物館所蔵の有蓋高杯は,蓋受けの立上がりのある浅い杯部に,低い鈍重な感じを与える脚部がついた,統一新羅時代に通有の器形を示す。…

※「三彩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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