取手(読み)とりて

精選版 日本国語大辞典 「取手」の意味・読み・例文・類語

とり‐て【取手】

〘名〙
相撲柔道などのわざ。また、そのわざのよくできる人。
※小右記‐寛仁三年(1019)七月二四日「今日土佐相撲為男、及取手者一人、白丁一人参来」
② (「捕手」とも) 武術の一種。素手で人を捕える術。中国の拳法から工夫したもの。小具足。こしまわり。
※仮名草子・悔草(1647)下「やはら取手(トリテ)や棒などを、あらまほしとくゆる」
③ 物を受け取る人。質取り主。「置手」に対していう。
※蜷川文書‐永正一七年(1520)三月八日・徳政法条々「質物取手、或在国或留守事〈但、非土倉私質〉」
音頭をとる人。
※清原国賢書写本荘子抄(1530)七「あみの大つなを張る如く発頭(ほっとう)を取れども、其取手のなにものかすると云形をみず」
⑤ 盗みを働いた者。ぬすびと。
※浮世草子・本朝桜陰比事(1689)五「此盗人は外より入たるにあらず〈略〉角とりては十弐人の弟子のうちなりと内証せんぎも是に極めて」
⑥ カルタで、読みあげられた札を取る人。
⑦ 金をしぼりとる人。
落語・今戸の狐(1892)〈三代目三遊亭円遊〉「那(あ)の位に評判は宜(い)いが実に取手(トリテ)で此の客と思ふと中々腕を揮(ふる)って手取を極るが」

とりで【取手】

茨城県南部の地名利根川小貝川に挟まれる。江戸時代水戸街道宿場町、利根川水運の要地として栄えた。第二次世界大戦後は食品機械などの工業都市東京衛星都市として発展。JR常磐線から関東鉄道常総線がわかれる。昭和四五年(一九七〇市制

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「取手」の意味・読み・例文・類語

とりで【取手】

茨城県南部、利根川北岸にある市。近世水戸街道の宿場町。名は平将門たいらのまさかどが築いた「とりで」からといわれる。人口11.0万(2010)。

とり‐て【取(り)手】

物を受け取る人。
カルタのふだを取る人。読み手に対していう。
相撲・柔道などの技。また、その技の巧みな人。
武術の一。武器を持たずに敵を倒し、捕らえる術。

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