鷹の鳥(読み)たかのとり

精選版 日本国語大辞典 「鷹の鳥」の意味・読み・例文・類語

たか【鷹】 の 鳥(とり)

鷹狩でとる鳥。多く雉、鶉(うずら)、雀などをいい、鷹の種類によって、その内容を異にする。
今川大双紙(15C前)鷹之式躰之事「鷹の鳥を持て出る事〈略〉水鳥山鳥も市にて買候鳥もおなじ事也」
② 「きじ(雉)」の異名
※奉公覚悟之事(15C中‐後)「鷹之鳥くひやう、先たかの鳥とはきじ也。勿論やきとりたるべし」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の鷹の鳥の言及

【キジ(雉)】より

…また,室町時代の《四条流庖丁書》が〈只鳥ト計云ハ雉ノ事也〉というように,鳥とだけいえばキジを指すようにもなった。とくに鷹狩りで鷹にとらせたキジは〈鷹の鳥〉と呼び,最高の〈賞翫(しようかん)〉とされた。賞翫は手厚いもてなし,ごちそうの意である。…

【鳥料理】より

…その後,獣肉食忌避が拡大する中で,美味な食物の意味で魚鳥は〈美物(びぶつ)〉と呼ばれ,さらに食味のうえで魚より濃密な味わいをもつ鳥は,美物中の美物として認識された。室町時代には〈美物の上下〉ということばがあり,魚鳥それぞれに尊卑の格とでもいった位づけがなされ,鳥ではキジが最も高貴なものとされ,とくに鷹狩でとったキジは〈鷹の鳥〉と呼んで最高のごちそうとされた。それについで珍重されたのはハクチョウで,以下ガン,カモなどとされたようだが,鷹の鳥やハクチョウの料理を供された客ははしをつける前に,そのもてなしの手厚さに謝意を表するものともされていた。…

※「鷹の鳥」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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