…また,室町時代の《四条流庖丁書》が〈只鳥ト計云ハ雉ノ事也〉というように,鳥とだけいえばキジを指すようにもなった。とくに鷹狩りで鷹にとらせたキジは〈鷹の鳥〉と呼び,最高の〈賞翫(しようかん)〉とされた。賞翫は手厚いもてなし,ごちそうの意である。…
…その後,獣肉食忌避が拡大する中で,美味な食物の意味で魚鳥は〈美物(びぶつ)〉と呼ばれ,さらに食味のうえで魚より濃密な味わいをもつ鳥は,美物中の美物として認識された。室町時代には〈美物の上下〉ということばがあり,魚鳥それぞれに尊卑の格とでもいった位づけがなされ,鳥ではキジが最も高貴なものとされ,とくに鷹狩でとったキジは〈鷹の鳥〉と呼んで最高のごちそうとされた。それについで珍重されたのはハクチョウで,以下ガン,カモなどとされたようだが,鷹の鳥やハクチョウの料理を供された客ははしをつける前に,そのもてなしの手厚さに謝意を表するものともされていた。…
※「鷹の鳥」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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