今川大双紙(読み)いまがわおおぞうし

改訂新版 世界大百科事典 「今川大双紙」の意味・わかりやすい解説

今川大双紙 (いまがわおおぞうし)

室町時代の武家故実書。著者不詳。1巻。弓,鷹,太刀,躾(しつけ),陣具,衣類,馬,輿,酒,鞠,食物,歌道の12項目について,公家との交流を深めた諸大名など武家奉公人を対象として,日常生活における主従・上下関係に則した礼儀作法を説いたもの。《群書類従》武家部所収。同一内容のものに《京極大草紙》がある。今川貞世の著とされる《了俊大草紙》とは別系統で,書名今川,京極は伝来した家名を示すと考えられる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の今川大双紙の言及

【包み】より

… 鎌倉から室町時代になると武家故実が確立され,武技,調度,服飾をはじめとして,元服,婚礼,出産などの儀礼が定められ,とくに幕府の礼法については伊勢,小笠原の両氏があずかるようになった。この時代には,《雅亮(まさすけ)(満佐須計)装束抄》《宗五大艸紙》《今川大双紙》などの故実書に〈包み〉に関する記述がみられる。《雅亮装束抄》は平安末期の人である源雅亮が著した公家故実書だが,〈包み〉の技法についての詳細な記述を含み,文(ふみ)の包み方,名香の包み方,童(わらべ)の装束,束帯の包み方などが記されている。…

※「今川大双紙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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