おうかっしょくしんりんど
黄褐色森林土
Yellow-Brown Forest soil
暖温帯照葉樹林気候下に生成する成帯性土壌型名。湿潤冷温帯気候下で生成される褐色森林土と湿潤亜熱帯気候下で生成される赤黄色土との間に分布。黒海沿岸の山地土壌についてI.P.Gerassimov(1958)が,揚子江流域の土壌について馬溶之ほか(1958)がほぼ同時に提案。朝鮮半島南部の森林赤褐色土(Kim Su-san,1960)もこれに相当する。日本では西南日本で現在生成されつつある成帯性土壌型を黄褐色森林土とすることが松井健(1964)により提案された。遠藤健治郎(1966)は,西南日本の暖温帯林土壌とGerassimovの黄褐色森林土を含めた汎世界的成帯性土壌型名として赤黄褐色森林土(reddish-yellow brown forest soil)を提案。黄褐色森林土の成因的特徴が,永塚鎮男(1975)によって遊離酸化鉄の存在形態を褐色森林土および赤黄色土と比較することにより明らかにされた。塩基性岩を母材とするもの以外は塩基飽和度は数%~20%程度,土壌pHは強酸性を示す場合が多く,表層ほど酸性が強い。遊離鉄含量は断面全体を通じて一様,遊離鉄の活性度(Feo/Fed)は0.4以下,結晶化指数((Fed-Feo)/Fet)は0.5以下。西南日本の低山・丘陵帯の侵食面および中位段丘以下の段丘上に主に分布。参考文献:永塚鎮男(1975) 農技研報告,B26
執筆者:松井 健・永塚 鎮男
参照項目:遊離酸化物
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
Sponserd by 
黄褐色森林土
おうかっしょくしんりんど
褐色森林土と赤黄色土との中間に位置する土壌。世界の土壌分布を気候の違いでみるとき、同じ湿潤気候下にあって温帯に分布する褐色森林土と、亜熱帯に分布する赤色土、黄色土(赤黄色土と一括)との中間に位置する土壌として、この土壌型が識別される。褐色森林土は混交林から落葉広葉樹林にかけて分布し、カルシウム塩の分解まで進んだ塩基溶脱型土壌であるのに対し、赤黄色土は常緑広葉樹林地に生ずる脱ケイ酸型土壌であるが、黄褐色森林土は落葉・常緑広葉樹林帯に相当し、その土壌生成作用はまさに前二者の間の移行的段階を示している。暗褐色の表土層の下に明るい黄褐色の集積層が続くことが特徴で、中程度の酸性反応を呈する。
黒海沿岸や中国の揚子江(ようすこう)流域などで、この土壌型が確認されてから、世界的にその分布が論じられるようになった。日本では、東海地方以西の温暖多雨地方の丘陵台地面で生成しつつあると考えられるが、褐色森林土との分布境界は明示することが困難である。
[浅海重夫]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
Sponserd by 
世界大百科事典(旧版)内の黄褐色森林土の言及
【土壌型】より
…その南方の半砂漠(年降水量150~200mm)ではアルカリ性を呈する褐色半砂漠土に移り変わっている。(4)暖(温)帯の土壌型 暖(温)帯に分布する主要な成帯性土壌型は,暖帯照葉樹林気候下の黄褐色森林土,地中海性気候帯の硬葉樹林下の地中海赤褐色土,半乾燥地中海性気候帯の乾性低木林下の肉桂(につけい)色土などである。 黄褐色森林土は,湿潤冷温帯の褐色森林土と湿潤亜熱帯の赤黄色土との中間に位置し,日本の西南部,中国の長江(揚子江)沿岸から南部,黒海沿岸などのシイやカシを主とする照葉樹林帯に分布している。…
※「黄褐色森林土」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
Sponserd by 