黒タイ族(読み)くろタイぞく(その他表記)Black Tai

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「黒タイ族」の意味・わかりやすい解説

黒タイ族
くろタイぞく
Black Tai

タイ諸族の一民族。ベトナム北部からラオス北部にかけての高地居住。黒タイの「黒」は彼らの着用する服装の色に由来したものである。タイ系諸族は普通氏族組織をもたないが,黒タイ族には外婚的氏族組織がみられ,貴族平民とに身分階層が分化している。貴族はロ族とカム族の2つの出自集団から成り,ムオン (村落共同体) の支配者を出す。また宗教上の指導者はルオン族とカー族の2つの出自集団から出る。仏教徒であるが,伝統的な精霊信仰を強く残している。

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世界大百科事典(旧版)内の黒タイ族の言及

【稲作文化】より

…ただし,これらの組織は地域ごとに相違があって一様ではない。また,北部ラオスに住む黒タイ族のように水田稲作民でありながら階級組織をもつものもある。彼らの住居は,上記のような社会状況を反映して,集合住宅に似た長大家屋,すなわちロングハウスをつくって共同生活をする場合もあり,大家屋に多数の家族人口を収容する場合もある。…

【タイ族】より

…ラオ族は分布範囲が広範囲であるところから地方差が大きい。(4)中央高地グループ (a)黒タイ族 ベトナム北部のディエンビエンフーを中心とした一帯とソンダー川沿いのビンルー,フォントー,パカ地区に住む。また,ラオスのナムタ地方にも多数分布している。…

※「黒タイ族」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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