黒リン(読み)コクリン

化学辞典 第2版 「黒リン」の解説

黒リン
コクリン
black phosphorus

β金属リンともいう.リン変態の一つである金属性のリン.3個のリン原子が隣接してつくる層状格子構造(グラファイト類似)をとり,融点587.5 ℃ であるが,125 ℃ で赤リン(分子性の白リンと金属性の黒リンの固溶体とされる)にかわる.白リンを200 ℃ 以上で12000 kg cm-2 の高圧下で加熱すると得られる.密度2.69 g cm-3.熱,電気良導体で,鉄灰色の金属光沢がある.二硫化炭素にも溶けない.白リンを封管中で加熱すると得られる紫リン(密度2.34 g cm-3)はα金属リンとよび,区別される.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「黒リン」の意味・わかりやすい解説

黒リン
こくりん

リン

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の黒リンの言及

【リン(燐)】より

…また,アルミニウム,鉛などと融解して不純物を合金として除く方法や,水蒸気蒸留法,ゾーンメルティングなどによってさらに精製することもできる。 単体リンには多くの変態があるが,同素体として白リン,紫リン,黒リンの3種が主要なものである。通常得られる黄リンは淡黄色で透明な蠟状であるが,純粋なら無色であり,本来白リンと呼ばれるもので,白リンの表面に赤リンの少量が生じて淡黄色を呈しているといわれている。…

※「黒リン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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