黒字有用論(読み)くろじゆうようろん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

黒字有用論
くろじゆうようろん

日本の対外黒字は民主化が進む東欧などへの資金需要にとって有用であるとする説。 1990年4月に国際通貨基金 (IMF) が「世界経済見通し」の中で「東欧情勢に関連して資金需要が増大する可能性があり,日本の黒字を急激に解消するのは望ましくない」と指摘したのを受けて,日本の大蔵省が政治的キャンペーンとして展開した。東欧だけでなく世界的に資金需要が急増し,ジャパンマネーに期待がかけられていたことは事実だが,アメリカから黒字減らしや,内需拡大を求められている日本の開き直りと受け取られる面もあった。さらに 80年代後半に猛威を振るったジャパンマネーも,90年代に入り経常収支黒字の減少,円・株・債券のトリプル安,金利上昇などによって海外流出に歯止めがかかり,黒字有用論も下火となった。

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