黒沢尻柵跡(読み)くろさわじりのさくあと

日本歴史地名大系 「黒沢尻柵跡」の解説

黒沢尻柵跡
くろさわじりのさくあと

[現在地名]北上市川岸三丁目

北上川右岸、中川岸なかかしにあった平安時代の城柵・居館跡。遺構は区画整理によって全面破壊されているが、堀跡の一部が残る。安倍あべ館ともいう。「今昔物語集」巻二五(源頼義朝臣罰安陪貞任等語)に、清原武則の攻略した館の一つとして「正任が黒沢尻楯」がみえる。「陸奥話記」によると、康平五年(一〇六二)九月一一日に「正任が知りたるところの和賀郡黒沢尻柵を襲ひて抜きつ」とあり、前九年の役で安倍頼時の五男黒沢尻正任の居館とされる当柵が源・清原連合軍によって攻め落されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android