黒野御厨(読み)くろののみくりや

日本歴史地名大系 「黒野御厨」の解説

黒野御厨
くろののみくりや

延久四年(一〇七三)三月一三日の官宣旨(醍醐雑事記)に「黒野沙汰云々」と傍注し、豊受宮前禰宜度会連頼が大神宮榊を立てて、曾禰そね(現三雲村辺りに比定)の堰溝水を妨げたことがみえ、成立はそれ以前と考えられる。また文治二年(一一八六)四月八日の醍醐寺文書目録(醍醐雑事記)には「宣旨一巻五枚内(中略)二枚黒野問宣旨 康和三年三月十四日、二枚黒野御厨事 康和五年四月六日」とみえ、康和三年(一一〇一)・同五年にも曾禰庄との間で問題が起きたようである。建久三年(一一九二)八月の神領注文(神宮雑書)に「(黒)野御厨 給主藤原氏子」とみえ、外宮領であった。同注文によれば当御厨は康和三年八月二一日の宣旨によって建立年限・四至・田畠本数を検注し、供祭物済数を注進して、永久三年(一一一五)六月七日の宣旨で認可された神宮領の一つであった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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