鼠鳴(読み)ねずなき

精選版 日本国語大辞典 「鼠鳴」の意味・読み・例文・類語

ねず‐なき【鼠鳴】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 鼠が鳴くこと。また、口をすぼめて鼠の鳴き声をまねること、また、その声。ねずみなき。
    1. [初出の実例]「うつくしきもの。〈略〉雀の子の、ねずなきするにをどり来る」(出典:枕草子(10C終)一五一)
    2. 「ねずなきしかけたまへば」(出典:夜の寝覚(1045‐68頃)二)
  3. 特に、忍んできた男が女の許に近づいたときや、遊女などが客を呼び入れようとするときなどにする、鼠の鳴きまねをいう。ねずみなき。
    1. [初出の実例]「此男何といふ一ふしもなからんがほいなくて、ねずなきをし出たりければ」(出典:十訓抄(1252)一)
    2. 「誰でござり申す、壁越のまたねずなき」(出典:歌謡・松の葉(1703)一・しもさほそり)

ねずみ‐なき【鼠鳴】

  1. 〘 名詞 〙ねずなき(鼠鳴)
    1. [初出の実例]「しうねずみなきをして、下人をよびたつる」(出典:虎明本狂言・察化(室町末‐近世初))
    2. 「帰り様の道縄手の夷屋には、簾の内からねずみなき、何事かと寄る袖の時雨」(出典:浮世草子・新色五巻書(1698)三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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