シシカバブ構造(読み)シシカバブコウゾウ

化学辞典 第2版 「シシカバブ構造」の解説

シシカバブ構造
シシカバブコウゾウ
shish-kebab structure

高分子の溶液または融体を流動応力場で結晶化させると,分子量の大きい高分子鎖成分が優先的に流動方向に延伸され,一方向に引きそろえられる.この配向した分子鎖間では,結晶核が容易に形成され,結晶化速度はいちじるしく速くなり,流動方向に繊維状の結晶(shish)が形成される.このシシ結晶は,高圧下で得られる伸びきり結晶と同様の伸びきり鎖結晶からなるが,多くの欠陥を含んでいる.このシシ結晶上にエピタキシー成長した折りたたみ結晶(kebab)からなるラメラ晶が派生成長する.このようにして形成された結晶の形態は,中東アジアで有名なヒツジの串焼きに似ていることから,シシカバブと命名された.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

五節舞

日本の上代芸能の一つ。宮廷で舞われる女舞。大歌 (おおうた) の一つの五節歌曲を伴奏に舞われる。天武天皇が神女の歌舞をみて作ったと伝えられるが,元来は農耕に関係する田舞に発するといわれる。五節の意味は...

五節舞の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android