字余り(読み)ジアマリ

デジタル大辞泉 「字余り」の意味・読み・例文・類語

じ‐あまり【字余り】

和歌・俳句などで、音数が定まった音よりも多いこと。また、その句。⇔字足らず

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「字余り」の意味・わかりやすい解説

字余り【じあまり】

歌学用語。短歌は5・7・5・7・7という音数律による〈三十一文字(みそひともじ)〉の定型から成るが,その音数を超過したものをいう。本居宣長は《字音仮名用格(じおんかなづかい)》において,古い時代の歌の字余りの句中には,必ず単独母音音節〈あ〉〈い〉〈う〉〈お〉のいずれかが含まれていることを発見した。日本語は二つの母音の直接接触を忌避し縮約する傾向があることから,単独母音を含む句は,字余り句となっても許容された,と考えられる。この法則の発見によって《万葉集》の訓読研究は大いに進んだ。

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