正林庵(読み)しようりんあん

日本歴史地名大系 「正林庵」の解説

正林庵
しようりんあん

[現在地名]小浜市太良庄

太良庄たらのしよう字太良のほぼ中央東側の山裾に位置する。かつては曹洞宗長英ちようえい(現小浜市)末。現在は無住。本尊の銅造如意輪観音半跏思惟像(国指定重要文化財)は白鳳期の作とされる像高三三センチの金銅仏で、正林庵本尊如意輪観世音縁起(正林庵文書)に、伝説によれば、本尊の如意輪観音像は天竺伝来の金の仏像で、京都東寺に一宇を建立して安置されていたが、京都仁和寺の道深親王の領地であった当所が仁治元年(一二四〇)に寄進されて東寺領となった際に、村民が武運長久国家安全を祈るため、菩薩像を将来し一宇を創建して安置したというとあり、東寺領太良荘とのかかわりを伝える。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報