化学辞典 第2版 「2,2′-ビピリジン」の解説
2,2′-ビピリジン
ビピリジン
2,2′-bipyridine
2,2′-bipyridyl.C10H8N2(156.19).2,2′-ジピリジルともいう.ピコリン酸カルシウムを乾留するか,特殊なラネーニッケル触媒の存在下にピリジンを環流すると得られる.白色の柱状晶.融点69.5 ℃,沸点272.5 ℃.エタノール,エーテル,ベンゼン,リグロインに可溶,水に難溶.pK1 -0.2(NH+),pK2 4.4(NH+).主として遷移金属とN,N-配位の安定な錯体をつくる.弱酸性溶液中で Fe2+ と強い赤色の錯イオン [Fe(C10H8N2)3]2+ を生じ,Fe2+ のもっとも鋭敏な比色定量試薬として用いられる.なお,酸化された Fe3+ との錯イオンは青緑色となり,この反応は可逆的なので,酸化還元指示薬としても用いられる.また,ルテニウムとの錯体は光照射下,水を水素と酸素に分解する触媒となる.LD50 250 mg/kg(ラット,経口).[CAS 366-18-7]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報