米国精神医学会による『精神疾患の診断・統計マニュアル』の第4版(1994年/改訂版2000年)。mental disordersは精神障害と訳されることも多い。疾患ごとに診断基準の項目が並べられ、基準数の項目が当てはまった時、その診断を採用する。そのため、診断者間のばらつきが少なく、情報交換や研究に大きな利点がある。もう1つの特徴は多軸診断で、人格障害や身体疾患、心理社会的なストレスなどによる多面的な評価を試みている。これに対して、世界保健機関(WHO)が中心となって作成している国際疾病分類(ICD:International Classification of Diseases)がある。これは、精神疾患だけでなく全疾患が対象となっている。