世界保健機関(読み)セカイホケンキカン

デジタル大辞泉 「世界保健機関」の意味・読み・例文・類語

せかい‐ほけんきかん〔‐ホケンキクワン〕【世界保健機関】

ダブリュー‐エッチ‐オー(WHO)

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共同通信ニュース用語解説 「世界保健機関」の解説

世界保健機関(WHO)

1948年に発足した国連の専門機関。国連非加盟の台湾やバチカンなどを除く194カ国が加盟。本部はスイスジュネーブ。感染症撲滅や各国の保健システム強化に向けた取り組みのほか、災害援助も実施。現在の事務局長のテドロス氏は2017年、アフリカから初めて選ばれた。新型コロナウイルス感染症についてテドロス氏は20年3月に「パンデミック(世界的大流行)」と表明。各国に対策強化を促した。(武漢共同)

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精選版 日本国語大辞典 「世界保健機関」の意味・読み・例文・類語

せかい‐ほけんきかん‥ホケンキクヮン【世界保健機関】

  1. ( [英語] World Health Organization の訳語 ) 国際連合の専門機関の一つ。国際保健事業の指導や保健関連条約の提案・勧告などを行なう。一九四八年発足。本部はジュネーブ。略称WHO。

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百科事典マイペディア 「世界保健機関」の意味・わかりやすい解説

世界保健機関【せかいほけんきかん】

World Health Organizationの訳。略称WHO。国連専門機関の一つ。1948年設立。全世界の人々が最高の健康水準に到達することを目的とし,国際的な保健事業の指導・調整を行う。本部ジュネーブ。加盟国191(1998)。日本は1951年加盟。またWHO発足の4月7日は国際保健デーとなっている。
→関連項目アナンUNRRA飲料水水質ガイドライン核戦争防止国際医師会議肝炎ワクチン環境ホルモン緩和ケアキシリトール機能障害気分障害国際連合GMP社会的不利精神障害電磁波障害鳥インフルエンザ脳死判定基準能力障害フィットネス豚インフルエンザ溶血性尿毒症症候群

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改訂新版 世界大百科事典 「世界保健機関」の意味・わかりやすい解説

世界保健機関 (せかいほけんきかん)
World Health Organization

国際連合の専門機関の一つ。略称はWHO。すべての人々が可能な最高の健康水準に到達することを目的として設置され,国際連合の事業のうち保健衛生の分野を受け持つ。1946年,国際連合経済社会理事会が招集した国際保健会議で〈世界保健機関憲章〉が調印され,48年4月7日の同憲章発効とともに発足した。日本の加盟は51年。2005年現在192ヵ国が加盟している。また発足の4月7日は国際保健デーとなっている。

 世界保健機関は本部(事務局)をジュネーブにおき,内部機関として,年1回行われる世界保健総会,32ヵ国の代表で構成される執行理事会,事務局をもち,さらに世界を6地域に分けて,それぞれに地域的機関を設けている。日本は西太平洋地域に属するが,その事務局はマニラにある。

 世界保健機関は国際保健事業の指導・調整機関として機能することになっており,各国と各種の国際協力事業を行っている。おもなものは次のとおりである。(1)要請にもとづく各国政府への援助。(2)伝染病,風土病の撲滅とまんえんの防止。各国の検疫はこれにもとづいて行われる。(3)保健・衛生統計の収集・刊行。国際疾病分類規則(ICD)を定め,これにもとづき,各国の資料統計を整理,評価している。(4)国際薬局方の制定。(5)薬品のモニタリング。(6)医学的研究に関する相互協力の促進,奨学生制度による海外研究援助,その他。一方,加盟国に対しては,分担金の拠出や保健衛生関係の情報の提供が義務づけられている。

 なお,世界保健機関憲章は〈国際連合憲章国連憲章)〉に従って,その前文で〈健康とは,完全な肉体的,精神的および社会的福祉の状態であり,単に疾病または病弱の存在しないことではない〉と健康を定義し,〈到達しうる最高水準の健康を享有することは……万人の有する基本的権利の一つである〉と健康権を規定し,さらに〈各国政府は自国民の健康に関して責任を有する〉ことを宣言している。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「世界保健機関」の意味・わかりやすい解説

世界保健機関
せかいほけんきかん
World Health Organization

略称WHO。保健衛生の分野で国際協力を行う国連の専門機関の一つである。1946年の国際保健会議で採択された世界保健機関憲章に基づき、1948年4月7日に発足した。WHOの主要機関には世界保健総会、執行理事会および本部事務局があり、そのほか東南アジア、西太平洋など六地域に委員会と事務局からなる地域機関がある。WHOの事業には、本部事務局が中心となって行う国際衛生規則の施行についての監視、伝染病発生状況報告、衛生統計情報の収集と刊行などと、地域事務局を中心とする専門家の派遣、医療器械や資材の供与といった各国に対する技術援助とが含まれる。

 WHOの本部はジュネーブに置かれ、加盟国は2009年時点で193か国・地域。日本は1951年(昭和26)5月16日に加盟が承認された。日本においては、国立感染症研究所国立がん研究センター、各大学医学部など33の機関がWHOの協力センターとして指定されており、ウイルス性疾患、がん、肝炎、職業衛生などのテーマについてWHOに協力して研究、情報交換などを行っている。

[横川 新]

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知恵蔵 「世界保健機関」の解説

世界保健機関

世界保健憲章(1948年4月7日発効)に基づいて発足した国際連合の専門機関の1つ。「すべての人々が可能な最高の健康水準に到達すること」を目的に掲げている。
本部はジュネーブにあり、2006年8月現在、WHOの加盟国は193カ国・地域、準加盟国は2地域である。日本は1951年に正式加盟している。
主要事業活動は、(1)医学情報の総合調整、(2)国際保健事業の指導的かつ調整的機関としての活動、(3)保健事業の強化についての世界各国への技術的協力、(4)感染症及び他の疾病の撲滅事業の奨励・促進、(5)保健分野の研究の促進・指導、(6)生物学的製剤及び類似の製品、食品に関する国際的基準の発展・向上、である。
2009年4月、新型インフルエンザが発生した際には、WHOが中心となって対策が検討された。またWHOのネットワークを通じて検体が迅速に国際社会で共有されたことが、各国の対策やワクチン開発を進める上で大きな役割を果たした。
一方、WHOでは海外での臓器移植自粛を求める指針の策定を検討している。これは09年5月の総会で採択される予定であったが、新型インフルエンザ対策を優先させるために決定が先送りされた。これにより、日本で検討されている臓器移植法の見直しにも影響を与えると見られている。

(星野美穂 フリーライター / 2009年)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「世界保健機関」の意味・わかりやすい解説

世界保健機関
せかいほけんきかん
World Health Organization; WHO

健康状態を向上させるための国際協力組織。1923年に設立された国際連盟保健機関と 1909年に創設されフランスのパリに置かれた公衆衛生国際事務局の事業を継承して,1948年に設立された。国連専門機関の一つ。憲章で健康に関する高い理想を掲げ,流行病の制圧,検疫の統一,薬品の国際基準の作成などを行なうほか,下部に国際癌研究機関をはじめ多くの委員会を擁し,国連食糧農業機関 FAOなどとの連携も行ないつつ,幅広い活動を展開している。本部はスイスのジュネーブ。日本は 1951年に加盟した。2012年現在,加盟国数 194。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「世界保健機関」の解説

世界保健機関(WHO)(せかいほけんきかん)
World Health Organization

国際連合と連携関係にある専門機関の一つ。1948年,世界保健機関憲章にもとづき発足。本部は,スイスのジュネーヴ。その主な目的は,世界のすべての人々の身体的・精神的健康水準の向上,国際的保健事業の推進,そのための調査・研究の推進と国際協力の達成である。2006年末現在,193カ国が加盟(日本は51年加盟)。

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旺文社世界史事典 三訂版 「世界保健機関」の解説

世界保健機関
せかいほけんきかん
World Health Organization

人類の精神と肉体の健康の向上をはかるために設けられた,国際連合の専門機関の1つ。略称WHO
1948年に発足。加盟国に共通な保健事業の指導・調整,医薬品の国際的標準化,人口問題の研究・調整などを行う。加盟国は1999年8月現在,191か国。日本は1951年に加盟。本部はスイスのジュネーヴ。

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栄養・生化学辞典 「世界保健機関」の解説

世界保健機関

 WHOと略称.国際連合の機関で,保健衛生の分野を担当する.

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世界大百科事典(旧版)内の世界保健機関の言及

【科学技術政策】より


[国際機関]
 全地球的視野で解決を要する天然資源,食糧,環境,衛生,エネルギーなどの諸問題についての活動が展開され,また発展途上国の国民経済の発展を図るための科学技術力の強化を図る援助活動が続けられている。国連における〈開発のための科学技術政府間委員会〉〈新・再生可能エネルギー政府間委員会〉などは総合的なものであるが,発展途上国援助につき国連開発計画(UNDP),国連貿易開発会議(UNCTAD),国連工業開発機構(UNIDO)などの機構において技術協力が活発化しており,また宇宙空間平和利用委員会,国連環境計画(UNEP)などの活動のほか,国際原子力機関(IAEA),国連食糧農業機関(FAO),世界保健機関(WHO),国連教育科学文化機関(UNESCO)等の専門機関が,それぞれ技術援助や情報活動を行っている。また経済協力開発機構(OECD)においては,科学技術政策委員会(CSTP)などいくつかの委員会で交流が行われている。…

【児童福祉】より


【国際的な児童福祉機関】
 国際的な視野で世界各国の最もめぐまれない児童の問題解決を図りつつある代表的な公的機関としては,国際連合の専門機関である国際連合児童基金(ユニセフ),国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)がある。また世界の児童の保健問題については世界保健機関(WHO)が飢饉や戦乱で食糧危機にみまわれた児童の援護に当たり,飢餓状態の人々に対しては世界食糧理事会(WFC)や国連食糧農業機関(FAO)が介入する。今日戦争や政変が人間の生存条件を奪い,難民を生む中で,難民児童に援助の手をさしのべているのは国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)である。…

※「世界保健機関」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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