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Hibワクチン Hibわくちん/えっちあいびーわくちん

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知恵蔵の解説

Hibワクチン

インフルエンザ菌b型(ヘモフィルス・インフルエンザb型、Hib)に対するワクチン。Hibは乳幼児細菌性髄膜炎を起こす。日本国内では年間500〜600人の子どもがかかり、5%ほどが死亡し、発達障害などの後遺症を起こす場合もある。髄膜炎の初期症状は発熱、頭痛、おう吐、下痢などだが、最初は普通の風邪と区別がつきにくく、ワクチンで予防するのが有効とされている。世界の多くの国ではこのワクチン接種を制度的に導入することで髄膜炎を防いでおり、世界保健機関(WHO)も接種を推奨している。日本では長らく承認されていなかったが、2007年に承認された(商品名「アクトヒブ」)。しかし、今のところ費用の公費負担制度には組み込まれていないため、ワクチン接種の希望者は費用を自己負担して受けることになる。学会や患者団体では法律に基づいて費用を公費負担にすることを要望している。なお、インフルエンザ菌は、冬場に流行するインフルエンザウイルスとは全く別の病原菌

(浅井文和 朝日新聞記者 / 2008年)

Hibワクチン

インフルエンザ菌b型(ヘモフィルス・インフルエンザb型:Hib)感染症の予防に効果があるワクチンのこと。インフルエンザ菌b型は「インフルエンザ」という言葉は含んでいるが、冬にインフルエンザの大流行を起こすインフルエンザウイルスとは関係のない、髄膜炎や喉頭蓋炎(こうとうがいえん)などを引き起こす細菌のことである。
Hib感染症は、他の感染症との区別が難しく、早期診断は非常に困難とされる。日本における罹患(りかん)率は、5歳未満で人口10万人あたり8.6~8.9人、年間約600人が罹患すると推定されており、適切な治療を早期に行っても、5%の患者が亡くなり、15~20%にてんかんや聴力障害などの後遺症が残るといわれる。また、最近はHibの薬剤耐性化が急速に進み、抗生物質が効かない耐性菌が増えており、Hib感染症の治療が難しくなっている。
診断も治療も難しいHib感染症は、予防が最大の決め手と言われており、ワクチンの発売が待ち望まれていた。
Hibワクチンは、世界保健機関(WHO)が1998年に乳児への定期接種を推奨する声明を出したことから、海外ではすでに100カ国以上で導入され、90カ国以上で定期接種プログラムに組み込まれている。定期接種を行っている国では、Hib感染症は過去の病気となっている。
日本では、当初乳幼児のHib髄膜炎はほとんど発生しないという声があり、開発に踏み切れなかったことや、認知度の低い疾患であり、乳幼児への接種が必要であるということがハードルとなり、治験が進まなかったなどの理由で導入が遅れていた。
だが、Hibワクチン「アクトヒブ」が2007年1月に承認され、08年12月に第一三共から発売となった。接種は0歳時に3回、1年後に1回の計4回が必要で、合計3万円前後の費用がかかる。現在は「任意接種」として実施されており、費用は全額自己負担となっている。
そのため、普及が難しいとして、日本外来小児科学会、日本小児科医会などが国や自治体の責任で誰もが無料で受けられる「定期接種」としてHibワクチンが認可されるよう、国に強く要望している。

(星野美穂 フリーライター / 2009年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
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