感染症(読み)カンセンショウ(その他表記)infectious disease

デジタル大辞泉 「感染症」の意味・読み・例文・類語

かんせん‐しょう〔‐シヤウ〕【感染症】

病原体が生体内に侵入・増殖して引き起こす病気。インフルエンザ赤痢せきりマラリアなど伝染性のものと、破傷風肺炎など非伝染性のものとがある。→感染症予防法伝染病
[類語]疫病はやりやまい伝染病

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共同通信ニュース用語解説 「感染症」の解説

感染症

ウイルスや細菌、原虫などの病原体が体内に入り、感染することで起きる病気の総称。日本の感染症法は危険性の高い順に1~5類に分類するなどし、予防措置や拡大防止策を定めている。致死率の高いエボラ出血熱やペストのほか、新型肺炎(SARS)、結核などがある。グローバル化に伴い、伝染性の感染症が国境を越えて広まる危険性が高まっており、予防や発生後の対応は国際的な課題となっている。世界保健機関(WHO)などが取り組みを進めている。

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精選版 日本国語大辞典 「感染症」の意味・読み・例文・類語

かんせん‐しょう‥シャウ【感染症】

  1. 〘 名詞 〙 病原微生物が人体に侵入・増殖することによって起こる病気。
    1. [初出の実例]「これらの薬は感染症をアレルギー体質に変える変換器の役割を果たしていることになる」(出典:くすり公害(1971)〈高橋晄正〉薬石効なく)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「感染症」の意味・わかりやすい解説

感染症
かんせんしょう
infectious disease

病気を引き起こす微生物(病原体)が体内に侵入して増殖することを「感染」とよび、感染によりなんらかの症状を引き起こす病気を総称して感染症という。病原体には、細菌、ウイルス、真菌、寄生虫などがある。ヒトだけでなく、動物もそれぞれに特異的な病原体に感染しうる。

 感染症の同義語として「伝染病」があり、日本において、古くは1880年(明治13)に「伝染病予防規則」が制定されている(のちに「伝染病予防法」となる)。このとき、法定伝染病として、コレラ、赤痢、腸チフス、天然痘などが定められた。社会に大きな被害を及ぼした伝染病は、とくに「疫病」とよばれた。たとえば、スペインインフルエンザ、天然痘、ペストが歴史的に有名である。

 1960年(昭和35)ごろから「感染症」ということばが用いられるようになった。法定伝染病が克服されるようになった一方で、新たな感染症の増加がその背景にあったと考えられる。

 1998年(平成10)には、伝染病予防法が性病予防法などと統合され、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(感染症法)が制定された。なお、家畜における感染症の法令は、現在でも「家畜伝染病予防法」であり、「伝染病」という表現が用いられている。

[和田耕治 2025年7月17日]

感染の成立

感染は、病原体が体内に侵入して生じるが、侵入しても、体に備わった免疫が機能した場合には増殖を防ぐことができる。しかし、侵入した病原体の量が多かったり、免疫力が低下していたり、免疫が獲得されていない場合には、体内で病原体が増殖し、または病原体によっては毒素を出し、感染が成立する。ただし、感染しても症状が出ない場合もあり、その場合は「不顕性(ふけんせい)感染」とよぶ。症状が現れた場合には「顕性感染」とよぶ。症状は感染症によって異なるが、発熱、咳(せき)、鼻水、倦怠(けんたい)感、下痢などがある。治療や免疫により病原体を撃退すると回復するが、できない場合には障害が残ったり、ときに死に至ることもある。

[和田耕治 2025年7月17日]

感染症の種類・分類

感染症は、病原体の種類や感染経路によって分類される。

(1)細菌による感染症
細菌は細胞をもち、栄養源があれば自分と同じ細菌を複製して増えていくことができる。ヒトや動物の体内に侵入して病気をおこす有害な細菌がいる一方で、環境中に分布し、害を及ぼさない細菌や、納豆菌や乳酸菌のようにヒトの生活に有用な細菌も存在する。ヒトの皮膚表面や腸内にも多くの細菌がおり、ヒトの生体環境を保っている。

 感染症を引き起こす細菌として代表的なものに、肺炎球菌、連鎖球菌、ブドウ球菌があり、治療には抗菌薬を用いる。肺炎球菌、百日咳菌、破傷風菌などの細菌に対してはワクチンもあり、感染や重症化を予防することができる。

(2)ウイルスによる感染症
ウイルスは、細菌の50分の1程度の大きさで、電子顕微鏡で見ることができる。細胞をもたず、自分だけでは増殖することができないため、ほかの生物の細胞内に入り込んで増殖する。ウイルスにも病気を引き起こすものがあり、例として、コロナウイルスインフルエンザウイルスノロウイルスなどがある。治療として、たとえば種々のウイルスが原因で生じる代表的な病気である「かぜ」には、対症療法以外の治療薬がなく、体がウイルスに対する免疫を獲得し、治癒するまで一定期間待つことが必要である。他方、インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスといった一部のウイルスに対しては抗ウイルス薬が開発されている。また、新型コロナウイルス、子宮頸(けい)がんの原因となるヒトパピローマウイルス、麻疹(ましん)ウイルス、インフルエンザウイルスなどに対してはワクチンがある。

(3)真菌(カビ)による感染症
真菌は、湿気の多い環境で増えることが多い微生物である。ヒトの体の一部、たとえば皮膚や爪(つめ)に感染して水虫の原因となる白癬(はくせん)菌は、免疫機能が正常なヒトにも感染する。また、免疫が低下すると感染しやすくなるアスペルギルス、カンジダなどの真菌がある。治療には抗真菌薬を用いる。

(4)寄生虫による感染症
寄生虫は、ヒトや動物に寄生し、栄養を摂取する微生物である。単細胞の原虫(例、マラリア)や多細胞の蠕虫(ぜんちゅう)(例、線虫やアニサキス)がある。症状は発熱など比較的軽いものから、無治療では死に至る重篤なものまでさまざまである。特定の寄生虫には駆除薬などがあるが限られており、さらなる薬の開発が期待され、公的資金などで研究が進められている。

[和田耕治 2025年7月17日]

感染症の広がり方

感染症はおもに次のような経路で広がる。

(1)ヒトからヒトへ
①飛沫(ひまつ)感染:咳やくしゃみによる唾液の飛沫を通じて広がる(例、インフルエンザウイルス)。

②エアロゾル感染(空気感染):会話や咳で生じる、より微細な飛沫が数メートルほど空気中を漂って感染が広がる(例、新型コロナウイルス)。

③接触感染:皮膚や物を触ることで感染が広がる(例、ノロウイルス)。

(2)動物や昆虫からヒトへ
ダニや蚊(か)、ネズミを介して感染する(例、マラリア、デング熱)。

(3)食べ物や水を通じてヒトへ
病原体に汚染された食品や水を摂取することで感染する(例、食中毒、コレラ)。

[和田耕治 2025年7月17日]

感染症による死亡の減少

歴史的に、感染症は多くの人の命を奪ってきた。日本の死亡統計によると、1900年(明治33)の死亡原因の第1位は肺炎および気管支炎、第2位は結核で、第3位の脳血管疾患よりも感染症(肺炎や結核)による死亡のほうが多かった。その後、1928年に、世界で最初の抗菌薬であるペニシリンが開発され、1943年には抗結核薬であるストレプトマイシンが発見された。第二次世界大戦後の1950年(昭和25)の死亡原因の第1位は結核であり、第2位は脳血管疾患、第3位が肺炎および気管支炎で、依然として感染症による死者が多い状況であったが、ペニシリンやストレプトマイシンなどの抗菌薬が広く使用されるようになってきた1960年には、死亡原因の第1位は脳血管疾患、第2位はがん(悪性新生物)、そして結核は第7位となった。また、感染症を防ぐワクチンの開発・普及により、1980年には天然痘の根絶が確認されるなど、ワクチンによる感染症の予防も広まった。このように治療薬やワクチン開発の恩恵を受け、日本における感染症による死亡者は20世紀になって徐々に減ってきた。

 世界的にみても、かつては低所得国などにおいて、5歳未満の子どもの死亡原因となることが多かった肺炎、下痢症、マラリアなどの感染症の克服が大きな課題であった。安全な水や清潔なトイレの確保など、衛生面の改善や教育水準の向上、ワクチンや治療薬の普及などにより、こうした国々でも感染症による死亡は徐々に減ってきている。近年では、低・中所得国における感染症による死亡者数は、全体の3割弱程度となり、がんや脳血管疾患、心疾患といった生活習慣と関連する疾患などの割合が高くなっている。

[和田耕治 2025年7月17日]

感染者に対する差別、偏見、人権侵害

感染症による死亡がさまざまな対策によって減少するなどの成果がみられる一方、感染症の罹患(りかん)者は、歴史的に差別や偏見、さらには人権侵害の対象となってきたことを忘れてはならない。たとえば、原因菌の発見者にちなんで「ハンセン病」とよばれる感染症は、かつて「癩(らい)」とよばれていた。感染すると皮膚や末梢(まっしょう)神経が侵される感染症で、病気が進行すると顔や手足が変形し、不自由になることから、感染していることが周囲にも知られた。地域社会からの偏見や差別の対象となり、感染者は仕事ができなくなり、離れの小屋などでひっそり暮らさざるをえない者や、家族などに感染させたくないと自宅を離れ、各地を放浪せざるをえない者もいた。1907年(明治40)に制定された「癩予防ニ関スル件」(のちの「癩予防法」)という法律は、こうした患者を救済する意図もあったが、患者を療養所に入所させ、一般社会から隔離することを規定した。このことが、ハンセン病は感染力が強いという誤った考えが広まるきっかけとなり、人々の偏見を助長した。

 さらに、1929年(昭和4)には、各県が競ってハンセン病患者をみつけだし、強制的に入所させるという「無らい県運動」が全国的に広がった。その後、ハンセン病を絶滅させるという考えに基づき、自宅にいた患者も療養所へ強制的に入所させ、隔離するために全国に国立療養所が設置された。

 1943年にはアメリカでハンセン病の治療法がみつかり、以降、新薬も開発された。しかし、日本では1953年に改正された「らい予防法」でも強制隔離を続けることが規定され、退所規定も設けられず、患者は一度療養所に入所したら一生そこから出ることができなかった。また、療養所に入所しても家族に迷惑をかけないようにと本名を捨てたり、偽名を名のる人もいた。さらに、結婚して子どもを産むことが許されないなど、さまざまな人権侵害の被害にもあった。こうした状況は、1996年(平成8)にらい予防法が廃止されるまで続いた。2019年(令和1)には、ハンセン病患者の隔離政策により、きわめて厳しい差別・偏見があったことを国が認め、謝罪し、家族も含めて元患者への賠償金の支給や名誉回復が図られた。

 ハンセン病に限らず、こうした感染者に対しての差別や偏見は、歴史的に種々の事例があり、近年でも、HIV感染症新型コロナウイルス感染症(COVID(コビッド)-19)において課題となった。感染症は人々に不安をもたらすが、それがもとで差別や偏見がおこることがないよう、個人も社会も十分に理解し、感染者に対する配慮や支援を第一に考えるべきである。

[和田耕治 2025年7月17日]

国内外の政府による感染症対策

(1)日本における対策
日本では、厚生労働省の感染症対策部が、平時から感染症の特性の分析・把握、検査、予防接種、保健所の支援、検疫などについて一体的に対策を実施している。新型コロナウイルス感染症発生時の対応を踏まえ、ふたたび感染症危機のような事態があった際に備えて、政府では内閣官房に内閣感染症危機管理統括庁を設置し、対応に関する司令塔機能の強化を行った。また、2025年(令和7)4月に設置された国立健康危機管理研究機構が科学的知見の提供や全国の流行状況の把握などを行い、政府と連携した対応を行っている。

 日本における感染症対策に関係する法律には、感染症法や新型インフルエンザ等対策特別措置法がある。法律には、国や自治体(都道府県など)、病院、医師が行うべきことが定められている。感染症法では、種々の感染症の危険性や公衆衛生上可能な措置に基づいて、感染症を1類感染症から5類感染症、および新型インフルエンザ等感染症に分類している。また、新しい感染症などの危機管理の観点から、指定感染症や新感染症といった類型もある。法律に基づく措置の内容としては、入院の勧告や措置、建物の立ち入り制限など人々の行動を制限するものもあるが、これらの適用については、国と自治体による慎重な判断のもとに行われる。

(2)世界各国の対策
国際連合(国連)においては世界保健機関(WHO)が保健について調整する機関である。WHOは、感染症はもちろんのこと、その他のさまざまな病気への対応を行っている。また各国には、感染症などの危機対応を担う同様の機関があり、たとえばアメリカにはアメリカ疾病予防管理センター(CDC)、イギリスにはイギリス健康安全保障局(UKHSA)が設置されている。

 感染症について各国では、「サーベイランス」とよばれる、平時からの感染症発生の監視、またアウトブレイクとよばれる通常以上の感染症の増加をいち早くとらえ、必要な原因究明や監視を行う体制がとられている。たとえば食中毒では、発生した店舗や施設から原因となった食品の特定などが行われる。食中毒の予防に関しては、過去に重篤な食中毒が発生した食品(たとえば生食用肉など)については規格基準が設けられるなどの対応が行われているほか、食品の製造・加工・調理・販売を行う事業者にはHACCP(ハサップ)とよばれる衛生管理手法が求められるなど、食品を介した感染による健康被害低減のために種々の方策がとられている。

[和田耕治 2025年7月17日]

個人レベルでの感染症対策

国や自治体レベルでの感染症対策が重要であることはもちろんだが、身近な感染症を予防するためには、個人レベルでの感染症対策も重要である。個人レベルでの感染症対策として、次のようなものがあげられる。

(1)衛生習慣の実践
①手洗い:石鹸(せっけん)と流水で20秒程度かけて手を洗う。とくに、食事前、外出後、トイレ使用後などに行う。

②アルコール消毒:流水を使った手洗いがむずかしい場合は、アルコール含有(70%以上)の消毒液を使用して手指の衛生を保つ。

咳エチケット:咳やくしゃみをする際は、ティッシュや肘(ひじ)の内側で口と鼻を覆い、周囲への飛沫感染を防ぐ。また、咳が出るときはマスクを着用する。

(2)環境の衛生管理
居住空間や学校、職場などの環境を清潔に保つことも、感染症予防に有効である。

①換気:室内の空気を定期的に入れ替え、ウイルスや細菌を含んだ飛沫の濃度を下げる。

②表面の消毒:ドアノブ、スイッチ、スマートフォンなど頻繁に触れる場所や物を定期的に消毒する。

(3)健康的な生活習慣
免疫力を維持するために、日常生活の質を向上させる。

①十分な睡眠:成人で1日7~9時間の睡眠を確保する。

②バランスのとれた食事:ビタミンやミネラルを含む栄養豊富な食品の摂取を心がける。

③その他:適度な運動やストレス管理などを心がける。

(4)ワクチン接種
ワクチンの接種(予防接種)は感染のリスクを大幅に低減させる手段である。

①小児の予防接種:出生後、月齢や年齢に応じた予防接種スケジュールに従って接種する。

②成人の予防接種:インフルエンザ、新型コロナウイルス、帯状疱疹(たいじょうほうしん)などの接種が年齢に応じて可能である。

③その他の予防接種:海外渡航時など、必要に応じて現地で流行している感染症のワクチンをあらかじめ接種するなどの対策も有用である。

(5)情報収集と適切な行動
感染症やワクチンに関して正確な情報を得る。これまでと異なった情報を見聞きした場合には、情報源がどこかを確認し、国や自治体、医療関係の学会などの情報を参照する。近年の、インフォデミックともよばれる、さまざまな情報が大量にあふれかえる状況に際して、正しい情報を取捨選択し、それをもとに適切な行動がとれるよう、情報リテラシーを高める教育なども重要であろう。

[和田耕治 2025年7月17日]

将来の新しい感染症の出現に備えて

2019年に初めて発生が確認された新型コロナウイルス感染症のように、新たに出現する感染症に対して、危機管理や安全保障の観点から世界中で研究や対策が行われている。

 ヒトに対する新しい感染症は、動物がもっている病原体が偶発的にヒトに感染し、その過程でなんらかの遺伝子変化などによりヒトの体に適応し、さらにヒトからヒトへも感染するようになって生じることが多い。その結果として、世界中のヒトの間で広がるような事態が発生することが危惧(きぐ)されている(新型コロナウイルス感染症もこのような機序で発生したと考えられている)。

 過去に発生した、あるいは現在も流行しているいくつかの感染症も、似たような機序で起きていたことが遺伝子解析などでわかってきた。たとえば麻疹ウイルスは、8000年くらい前にヒツジやヤギから感染してヒトに適応し、ヒトの間でだけ感染するようになったと推測されている。天然痘ウイルスは4000年くらい前にウマかウシからヒトに感染したものが、ヒトに適応して、やはりヒトの間でだけ感染するようになったと推測されている(天然痘はワクチンの接種と天然痘の根絶計画など人々の努力により、前述のとおり、1980年にWHOにより根絶宣言が行われている)。

 また、インフルエンザも新しい型が出現しており、近年では10~40年の周期で新たなインフルエンザが発生している。最近では2009年のインフルエンザH1N1(2009)がその例である。

 新たに認知され、局地的または国際的に問題となる感染症は「新興感染症」とよばれ、対策が行われている。新興感染症には、たとえば鳥インフルエンザエボラウイルス病(エボラ出血熱)、ウエストナイル熱マールブルグ病などがある。かつては一部地域での風土病として局地的に抑えることができていたが、グローバル化が進み、世界中のどこへでも48時間以内に到達できるようになったいま、日本に限らず、世界のどこからどこへでも感染症が伝播(でんぱ)する可能性がある。

 新たな感染症の発生を防ぐ策として、まずは動物からヒトへと感染が広がらないようにすることが考えられる。しかし、森林伐採や気候の温暖化、家畜の管理の不十分さなどから、ヒトが動物の感染症に罹患するリスクはさらに高まっている。また、家畜の飼養や魚の養殖にも抗菌薬が使用され、環境中にも抗菌薬に対する耐性菌が出現している。こうした菌が広がることで、病気になった際に効果のある抗菌薬が減ってくることが将来的にも大きな課題として認識されている(多剤耐性菌)。このような状況において、ヒト・動物・環境を包括的にとらえて感染症対策を行うワンヘルス(one health)アプローチといった、分野を超えて連携する対策の重要性がいっそう高まっている。

[和田耕治 2025年7月17日]


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家庭医学館 「感染症」の解説

かんせんしょう【感染症 (Infections Disease)】

 微生物が体内に侵入し、そこで繁殖(はんしょく)したためにおこる病気を感染症といいます。感染症の多くは伝染する危険があるので、周囲の人にうつさない配慮が必要です。
●感染と発病
●キャリア(保菌者)
●感染症と伝染病
●免疫(めんえき)とは
●感染源と感染経路
●飛沫感染(ひまつかんせん)(経気道感染(けいきどうかんせん))
●経口感染(けいこうかんせん)
●性行為感染(接触感染)
●経皮感染(けいひかんせん)
●昆虫による媒介
●医療的行為に起因する感染
●日和見感染(ひよりみかんせん)
●院内感染(いんないかんせん)
●交差感染(こうさかんせん)
●自己感染(内因感染)
●垂直感染(すいちょくかんせん)と母子間感染(ぼしかんかんせん)
●水平感染

●感染(かんせん)と発病(はつびょう)
 病気をおこす微生物を病原微生物といい、小さい順にウイルス、細菌(マイコプラズマ、クラミジア、リケッチア、スピロヘータ、一般細菌)、原虫、寄生虫(きせいちゅう)などがあります。これらの病原微生物が体内に侵入し、臓器や組織の中で繁殖することを感染といいます。
 病原微生物が感染すると、発病する場合と、発病しない場合とがあります。たとえば、飲食物にまじっていた赤痢菌(せきりきん)が飲み込まれ、腸管内で繁殖すると、発熱や下痢(げり)がおこりますが、繁殖の程度がわずかな場合は、病気らしい症状が現われないこともあります。前者を顕性感染(けんせいかんせん)(発病)といい、後者を不顕性感染といいます。

●キャリア(保菌者(ほきんしゃ))
 病原微生物が、不顕性感染の状態で体内にすみつくこともあります。B型肝炎やエイズなどでしばしばみられます。このように、病原微生物を体内にもっている人をキャリアといい、周囲の人に病原微生物を感染させる危険がありますし、体内の病原微生物が繁殖して、将来、発病する恐れもあります。

●感染症(かんせんしょう)と伝染病(でんせんびょう)
 感染症には、インフルエンザや赤痢のように人から人へと伝染する伝染性感染症と、膀胱炎(ぼうこうえん)や破傷風(はしょうふう)のように人から人へは伝染しない非伝染性感染症とがあります。このうち、伝染性感染症はふつう、単に伝染病といいます。
 なお、マラリアや回虫症(かいちゅうしょう)のように、かなり高等な生物による感染症は寄生虫病といい、別に扱われます。

●免疫(めんえき)とは
 はしか、おたふくかぜ、風疹(ふうしん)などにかかって治った人は、再びその病気になることはありません。からだの中に抗体(こうたい)というものができていて、再び同じ病原微生物が侵入してきても、繁殖させないように抑えるからです。
 このからだのはたらきを免疫といいます。病気によって、免疫の続く期間が異なります。はしか、おたふくかぜ、風疹などは一生続く免疫ができます。これを終生免疫(しゅうせいめんえき)といいます。
 インフルエンザ、ジフテリアなどは、短期間の免疫しかできません。
 ブドウ球菌(きゅうきん)、レンサ球菌による扁桃炎(へんとうえん)などでは免疫ができないので、同じ病気に何度もかかる可能性があります。

●感染源(かんせんげん)と感染経路
 感染の源になるもの、つまり、病人、キャリア、感染動物、媒介(ばいかい)する昆虫、病原微生物で汚染された排泄物(はいせつぶつ)や、それによって汚染されたものなどを感染源といいます。
 病原微生物が、感染源から人体に侵入する道筋を感染経路といい、つぎのようなものがあって、病原微生物によって感染経路がちがいます。

●飛沫感染(ひまつかんせん)(経気道感染(けいきどうかんせん))
 インフルエンザにかかった人が、せきや会話の際に口から飛ばす飛沫(目に見えない細かい水滴=しぶき)の中には、インフルエンザウイルスが含まれています。この飛沫を周囲の人が吸い込むことによって、インフルエンザは人から人へと伝染します。このような感染経路を飛沫感染といい、扁桃炎、はしか、風疹、溶連菌感染症(ようれんきんかんせんしょう)(猩紅熱)、ヘルパンギーナ、手足口(てあしくち)病などがこの感染経路をとります。

●経口感染(けいこうかんせん)
 病原微生物や寄生虫の卵が、口から入って感染するのを経口感染といいます。コレラ、腸チフス、赤痢(せきり)、腸炎ビブリオ食中毒、カンピロバクター食中毒、サルモネラ食中毒、回虫症、蟯虫(ぎょうちゅう)症などは、飲食物にまじったり手指についたりした病原微生物や寄生虫の卵が口から入って感染します。

●性行為感染(せいこういかんせん)(接触感染)
 性行為の際に、皮膚や粘膜(ねんまく)の病変部、体液の中にいる病原微生物が人から人へと感染するのが性行為感染です。淋菌性尿道炎(りんきんせいにょうどうえん)、梅毒(ばいどく)、腟(ちつ)カンジダ症、腟トリコモナス症、性器ヘルペス、エイズ、B型肝炎などがこの感染経路をとります。

●経皮感染(けいひかんせん)
 病原微生物が、皮膚から侵入して感染するのが経皮感染で、ワイル病の病原菌のレストスピラや日本住血吸虫(にほんじゅうけつきゅうちゅう)は、健康な皮膚からでも侵入して感染しますが、破傷風菌や狂犬病ウイルスは、皮膚の傷口から侵入して感染します。

●昆虫による媒介
 マラリアや日本脳炎は、カに媒介されて、ペストはノミに、発疹(ほっしん)チフスはシラミに、つつがむし病はダニに媒介されて感染します。

●医療的行為に起因する感染
 導尿(どうにょう)に関連しておこった膀胱炎(ぼうこうえん)、病人、とくに自覚症状のない病人の血液の輸血によるB型肝炎や梅毒の感染、消毒していない注射器によるエイズの感染などをいいます。

●日和見感染(ひよりみかんせん)
 私たちの体内(鼻腔(びくう)、口腔(こうくう)、大腸(だいちょう)、腟など)や皮膚の表面には、常在菌(じょうざいきん)といって、いろいろな微生物が常に付着したり、すみついたりしています。また、私たちの周囲にも無数の微生物が存在しています。しかし、健康なときには、これらの微生物に対する抵抗力がからだに備わっているので病気になることはありません。からだの抵抗力が低下すると、これらの微生物が異常に繁殖し、病気になることがあります。これを日和見感染といいます。
 日和見感染をおこす原因には、①がんなどによる衰弱(すいじゃく)、②エイズ、重症糖尿病、腎不全(じんふぜん)、肝不全、脳血管障害などのからだの抵抗力が低下する病気、③薬剤(抗がん剤、免疫抑制薬、副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモン薬など)使用による免疫力の低下、④広域抗生物質の連用による菌交代現象、⑤放射線療法の副反応による骨髄(こつずい)障害、⑥高年齢、などがあります。
 日和見感染によっておこる病気としては、緑膿菌感染症(コラム「緑膿菌感染症」)、真菌症(しんきんしょう)(「皮膚真菌症とは」)、MRSA(多剤耐性(たざいたいせい)ブドウ球菌)感染症などがあります。

●院内感染(いんないかんせん)
 病院内でおこる感染を院内感染といいます。腎臓病で入院中の子どもがはしかにかかる、排尿困難で導尿している人が膀胱炎にかかるなどのほか、見舞いに訪れた人や病院職員なども病院内で感染症にかかれば院内感染です。感染のしかたには、つぎの2つがあります。

●交差感染(こうさかんせん)
 病原微生物が、病人から直接に、または間接に(器物を介してなど)他の人に感染するケースです。たとえば、はしかの発病初期の子どもが、はしかとはわからず原因不明の発熱などの病名で入院したため、入院中のほかの子にはしかが発生するとか、給食課の職員にサルモネラ菌の保菌者がいたため、入院している病人にサルモネラ食中毒が集団発生する、などがその代表です。また、B型肝炎の病人から採血した注射針を誤って自分の指に刺してしまい、看護師がB型肝炎にかかるのも交差感染です。

●自己感染(内因感染)
 自分の皮膚、口腔、鼻腔、腸管、腟などにいる常在菌が感染して病気がおこるのが自己感染です。常在菌は、常在している部位にいるかぎり病気をおこすことはありませんが、ほかの部位に移動すると病気がおこることがあるのです。
 たとえば女性の膀胱炎の多くは、自分の大腸の常在菌である大腸菌が感染したための自己感染です。
 しかし、導尿の際に、器具を介して病院内の細菌が感染しておこる女性の膀胱炎もあります。この場合は、交差感染ということになります。

●垂直感染(すいちょくかんせん)と母子間感染(ぼしかんかんせん)
 母親の体内にいる梅毒やB型肝炎などの病原微生物が、胎盤(たいばん)を介して胎児(たいじ)に感染してしまうことがあります。
 また、母親の産道(さんどう)にいるクラミジアや淋菌(りんきん)などの病原微生物が、出産の際に赤ちゃんに感染して結膜炎(けつまくえん)をおこすことがあります。
 このように、母から子へという縦の関係で感染するのを垂直感染といいますが、これも、広い意味での交差感染の一種です。
 また、育児中の母と子は、授乳その他の濃厚な接触によって、母親のもっている病原微生物が赤ちゃんに感染することもあります。このような感染を含めて母子間感染ともいいます。

●水平感染(すいへいかんせん)
 感染症が、母から子へと縦に感染するのを垂直感染というのに対して、インフルエンザのように、周囲の不特定多数の人々へ横に広がる感染(交差感染)を水平感染といいます。

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内科学 第10版 「感染症」の解説

感染症(ほかの疾患に伴う肝障害)

(1)感染症
 急性および慢性の肝障害の病因としては,A型からE型肝炎ウイルスが主体を占めているが,それ以外の感染症においても全身感染症の一症状として肝障害が惹起されることがある.大半は軽症かつ一過性の肝障害であるが,重症化する場合もある.ウイルス性肝炎の約2割程度を占めると推定されている.伝染性単核球症(infectious mononucleosis)の多くはEpstein-Barrウイルス(Epstein-Barr virus:EBV)によって発症する.発熱,咽頭痛,リンパ節腫脹,発疹,肝脾腫などの多彩な症状を呈し,肝障害が約80%,肝腫大が約20%にみられる.リンパ球増加を示し,異型リンパ球が10%をこえることが多い.トランスアミナーゼが著明に上昇することは少なく,黄疸の出現もまれである.サイトメガロウイルス(cytomegalovirus:CMV)感染症は不顕性が多いが,ときに,リンパ節腫脹,異型リンパ球増加,肝障害,肝脾腫などの症状が出現する.成人でのCMV感染症の大半は,免疫抑制状態でのウイルスの再活性化により発症する.臓器移植後のCMV感染は移植片機能不全の原因としても重要である.さらに,肝障害を伴う特殊な感染症としては,黄疸出血性レプトスピラ症(Weil病),真菌感染症,マラリア,カラアザール(内臓型リーシュマニア症)などがあげられる.
a.後天性免疫不全症候群(acquired immunodeficiency syndrome:AIDS)
 AIDS症例の肝組織では正常肝は10%以下との報告が多く,低栄養による脂肪肝を高率に認める.また,日和見感染症と腫瘍の肝転移による肝障害も多い.日和見感染は全身播種性感染の肝への波及であり,CMVと非結核性抗酸菌によるものが多く,カンジダ,クリプトコックス,ヘルペスウイルス,トキソプラズマ,ニューモシスチスなどによるものもある.また,日和見腫瘍の肝への浸潤は悪性リンパ腫が最も多く,欧米に多いKaposi肉腫はわが国では少ない.近年,ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus:HIV)感染者の予後は著しい改善をみせ,死因にも変化がみられている.米国の報告では,日和見感染症などによるAIDS関連死は約半数にとどまり,残りは非AIDS関連死とされている.非AIDS関連死の約90%が肝関連死であり,その大半がC型肝炎ウイルス(HCV)感染症による.HIVとHCVは血液を介して感染するため,重複感染を起こす可能性が高い.米国ではHIV感染者の約30%,わが国では約20%がHCVに重複感染している.特に,血液製剤によってHIVに感染した例では,ほとんどがHCVとの重複感染を起こしている.重複感染例ではHCV量が多く,肝病変の進行が早く短期間で肝硬変に進展する.
b. 敗血症
 敗血症では,しばしば高度の黄疸を伴う肝不全を合併する.原因として,循環障害やショック,DIC,薬物性肝障害などによる肝障害が考えられる.さらに,エンドトキシンは胆汁うっ滞をきたすことが明らかにされており,機序として細菌の菌体成分による黄疸が想定されている.[西口修平]

感染症(移植後合併症の予防と治療)

(3)感染症
 造血幹細胞移植後の感染症は予後を左右する重要な合併症であるが,免疫再構築の状態に従い移植後の時期により傾向が異なる.前処置開始後から好中球が回復するまでの期間は,細菌および真菌感染症が好発する.好中球の回復後,移植後100日頃までは細胞性免疫が抑制されていることによりサイトメガロウイルス(CMV)やアデノウイルスなどによるウイルス性疾患のリスクが高く,それ以降は肺炎球菌など莢膜を有する細菌による感染症,および水痘ウイルスによる帯状疱疹などの発症頻度が多くなる.
 そのため,好発する時期にあわせた感染症予防対策が取られている.好中球が回復するまでは,広範囲スペクトラムの抗菌薬と抗真菌薬による予防投与と,好中球増加の促進目的でG-CSFを用いるとともに,清潔管理に留意する.また,監視培養や血清学的スクリーニング検査,CMVに対する抗原血症検査などを利用し,個々の病原体のモニタリング結果に合わせた早期治療体制を整えることによって,感染症の重症化を防ぐ.好中球回復後も免疫抑制薬投与期間中はアスペルギルスなど真菌感染に対する予防薬や,単純ヘルペスや水痘ウイルス再活性抑制目的のアシクロビル,ニューモシスチス肺炎予防のST合剤を継続する.[高橋 聡]
■文献
Atsuta Y, Suzuki R, et al: Disease-specific analyses of unrelated cord blood transplantation compared with unrelated bone marrow transplantation in adult patients with acute leukemia. Blood, 113: 1631-1638, 2009.
Blazar BR, Murphy WJ, et al: Advances in graft-versus-host disease biology and therapy. Nat Rev Immunol, 12(6): 443-458, 2012.
Filipovich AH, Weisdorf D, et al: National Institutes of Health consensus development project on criteria for clinical trials in chronic graft-versus-host disease: I. Diagnosis and staging working group report. Biol Blood Marrow Transplant, 11: 945-956, 2005.

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改訂新版 世界大百科事典 「感染症」の意味・わかりやすい解説

感染症 (かんせんしょう)
infectious disease

病原微生物がヒトおよび動物の体に侵入し,定着,増殖して感染をおこすと組織を破壊したり,また,病原微生物が毒素を出して体に害を与えると,一定の潜伏期をへた後に病気となる。この病気を感染症という。病原微生物が現在のようにわかったのは19世紀に入ってからで,L.パスツール,R.コッホらに負うところが大きい。日本でも,北里柴三郎は1894年にペスト菌を,志賀潔は98年に赤痢菌を発見している。現在では病原微生物として,細菌,スピロヘータ,リケッチア,ウイルス,真菌,原虫,寄生虫などがある。感染経路には,直接病巣にふれたり,病原微生物をふくむ唾液や喀痰の飛沫を吸入して感染する飛沫感染,病原微生物で汚染された食品や飲料水,空気(塵埃(じんあい)),土壌,ネズミ,昆虫,ダニなどの節足動物を介して感染する間接感染がある。病原微生物の体への侵入口としては,呼吸器,消化管,泌尿器,生殖器,皮膚(通常傷口)などがある。病原微生物が単にヒトの体に侵入したのみで増殖しないときは感染とはいわない。また感染をしても病気の症状がなく,健康にみえる場合を無症状感染または不顕性感染という。代表的な細菌感染症には猩紅(しようこう)熱,赤痢,腸チフス,結核,ハンセン病,肺炎球菌性肺炎,気管支炎,腎盂(じんう)腎炎,膀胱炎,皮膚化膿症などが,スピロヘータ感染症には梅毒,黄疸出血性レプトスピラ症などが,リケッチア感染症には発疹熱,ツツガムシ病などが,ウイルス感染症には風邪症候群,インフルエンザ,肝炎,黄熱,日本脳炎,流行性耳下腺炎(おたふく風邪),麻疹(はしか),風疹,水痘などが,真菌感染症にはカンジダ症,アスペルギルス症などが,原虫感染症にはアメーバ赤痢,マラリア,トキソプラズマ症,寄生虫感染症にはジストマ病(吸虫症),条虫症(サナダムシ病),顎口虫症などがある。類似の語に〈伝染病〉があるが,これは伝染性の感染症をさす。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「感染症」の意味・わかりやすい解説

感染症
かんせんしょう
infectious diseases

微生物の感染によって起る疾患をいう。病原体別に,細菌感染症,ウイルス感染症,リケッチア感染症,スピロヘータ感染症,真菌感染症などに分けられる。感染症のうち,病原体の毒力が強くて,人から人へと連鎖的に感染の広がるものを,特に伝染病と呼ぶこともある。病原体は,健康人には通常みられない病原菌であることが多いが,ブドウ球菌や大腸菌のように人体に常在するものが突然,病原性をもつようになることもある。さらに,化学療法の進歩に伴う薬剤耐性菌の出現や菌交代現象 (→菌交代症 ) も関係して,感染症の病態も変貌しつつある。感染経路としては,接触感染 (性病) ,飛沫感染 (インフルエンザなど) のような直接感染と,食物や動物を介する間接感染 (食物→腸チフス,カ→日本脳炎など) とがある。一般に,感染してから潜伏期があり,次いで前駆症状が出て,そののちに発症することが多い。感染症に対する治療は,患者の血液,尿,髄液,喀痰などから早急に病原体を検出し,最も有効な抗生物質を選んで投与する。

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妊娠・子育て用語辞典 「感染症」の解説

かんせんしょう【感染症】

「うつる病気」の総称です。原因は微生物で、ウイルスや細菌のほか、真菌(しんきん:カビ類)、寄生虫などたくさんあります。「人から人」へだけでなく、動物や虫、食べ物や水から人の体内に入ってくることも。近年は鳥インフルエンザなど、「動物(ペットも含まれます)と人が共通にかかる感染症」も大きな問題となっています。なお、病原体が体内に入り込んだだけでは「感染」とは実はいいません。入り込んだ病原体が体内で増えたとき「感染」、そして何らかの不快な症状が出てきたときに「病気=感染症になった」といいます。

出典 母子衛生研究会「赤ちゃん&子育てインフォ」指導/妊娠編:中林正雄(母子愛育会総合母子保健センター所長)、子育て編:渡辺博(帝京大学医学部附属溝口病院小児科科長)妊娠・子育て用語辞典について 情報

栄養・生化学辞典 「感染症」の解説

感染症

 寄生虫,細菌,ウイルス,カビなどが感染することによって起こる症状.「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」によって予防およびまん延の防止の措置が講じられる.伝染病は,感染症の一つで,「自然の状態で急速に接触や空気感染で広がり,社会的に大きな影響を与える感染症」とされる.

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百科事典マイペディア 「感染症」の意味・わかりやすい解説

感染症【かんせんしょう】

伝染病

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世界大百科事典(旧版)内の感染症の言及

【感染】より

…微生物が体内に入っても,すぐに死滅してしまったり,素通りしてしまう場合は感染とはいわない。感染の結果,生体が全身性あるいは局所性に異常を生じてくることを発病といい,その病的状態を感染症infectious diseaseと呼ぶ。感染が成立しても,まったく病的状態が起こらないで,健康にみえる場合を無症状感染あるいは不顕性感染といい,症状をあらわす場合を顕性感染と呼ぶ。…

【感染】より

…微生物が体内に入っても,すぐに死滅してしまったり,素通りしてしまう場合は感染とはいわない。感染の結果,生体が全身性あるいは局所性に異常を生じてくることを発病といい,その病的状態を感染症infectious diseaseと呼ぶ。感染が成立しても,まったく病的状態が起こらないで,健康にみえる場合を無症状感染あるいは不顕性感染といい,症状をあらわす場合を顕性感染と呼ぶ。…

【伝染病】より

…昔から〈はやり病(やまい)〉〈疫病〉として人から恐れられてきた病気のことで,病原微生物の感染によって発病する。日本では,感染と伝染の区別があいまいで,この二つは同義語のように用いられることが多いが,感染infectionとは病原微生物が生体に侵入して増殖し,生体に害を与える場合(この病的異常状態が感染症infectious disease)をいい,伝染とは感染症の経過中,感染生体から分泌物や排出物とともに病原体が出て,それが接触または媒介によって他の生体を感染させる場合をいう。したがって伝染病は感染症に含まれるが,感染症のなかでも伝染力(伝播力)の強い感染症をさすわけである。…

【病原細菌】より

…ヒトのおもな病原細菌を表にまとめた。
[感染症]
 病原細菌を含めて,一般に病原微生物(細菌,ウイルス,リケッチア,真菌,原虫,スピロヘータなど)が宿主体内に侵入し増殖することを感染と呼び,感染によって起こる疾患を感染症という。感染と発病は,病原微生物と宿主との相互の力関係に基づいて成立する。…

※「感染症」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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