RNAi(読み)アールエヌエーアイ

化学辞典 第2版 「RNAi」の解説

RNAi
アールエヌエーアイ
RNA interference

細胞内の二本鎖RNAを分解する系.細胞にはRNAウイルスなどに対する防御システムとして二本鎖RNAを検出し,それを約23 bpフラグメントに切断して不活化する系(リボヌクレアーゼRNaseやRNAヘリカーゼ(helicase)の複合体)が備わっている.この複合体は,切断したフラグメントを結合したままRNA依存性RNAポリメラーゼなどの助けを借りて増幅されることもある.切断フラグメント(約23 bp)を結合した複合体は,そのフラグメントに相補的な配列を有する一本鎖RNAの切断活性ももつようになる.この性質を利用して,実験的に特定mRNA発現を抑える試みが盛んになされている.すなわち,目的とするmRNAと同じ配列をもつ二本鎖RNA(約23 bp)を合成し,細胞に入れることによりmRNAを切断し,そのはたらきを抑えることができる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android