大学事典 「CNRS」の解説
CNRS[仏]
セーエヌエールエス
フランスの「国立科学研究センター」。1939年10月19日に創設されたフランス最大の公的研究機関。特定分野に限定されない幅広い学問領域を対象とし,約3万3000人(うち研究者約1万1200人,技師や職員等約1万3750人が常勤,残りの約8000人はポストドクターその他)の人員と,34億ユーロの予算,1100を超える研究単位で活動を行っている(2013年現在)。約7万5000人という大学教員の人数と比べると,CNRSの相対的な規模の大きさが理解される。すなわち大学外に広く認知された研究機関が存在していることは,フランスの研究体制の特徴をなしている。また1966年に導入された混成研究単位(フランス)(2013年では上記1100のうち約95%)の制度により,大学等との研究協力をより緊密に行うことが可能となっている。大学側にとっても,混成研究単位に選ばれることは,その研究室の質の高さを示すものであり重要である。CNRSは学際的な研究の展開にも力を入れている。
著者: 白鳥義彦
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報