EC銀行指令(読み)イーシーぎんこうしれい(その他表記)Banking Coordination Directive

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「EC銀行指令」の意味・わかりやすい解説

EC銀行指令
イーシーぎんこうしれい
Banking Coordination Directive

ECの市場統合に伴い,域内での銀行の営業自由化を図るため,1977年に第1次銀行指令が採択され,その内容をさらに発展させた第2次銀行指令が 89年 12月に採択された。第2次指令の内容は,(1) 加盟国のいずれか1国で免許を取得すれば,他の加盟国のどこでも支店を開設できるという単一銀行免許制の導入,(2) 銀行の支店は進出国ではなく本国政府が監督する,(3) 銀行は銀行業務のほかリース業証券業投資顧問業を営むことができる,(4) 単一免許制度を可能とするため,資本金最低額および非金融機関に対する出資制限を定める,(5) 域外国に対し相互主義を適用する,などである。この相互主義については,ヨーロッパに進出している日本の銀行活動が影響を受けることが危惧されていたが,既に ECに進出している日本の銀行については,第2次指令に含まれることが保証された。

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