リース業(読み)リースぎょう

精選版 日本国語大辞典 「リース業」の意味・読み・例文・類語

リース‐ぎょう【リース業】

  1. 〘 名詞 〙 商品、特に機械類を長期間賃貸する事業

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改訂新版 世界大百科事典 「リース業」の意味・わかりやすい解説

リース業 (リースぎょう)

リースとは,企業が機械,設備を調達する場合に,自社で購入する代りにリース会社にその物件を購入してもらい,それを借りて使用する,というシステムである。その物件を貸し出す産業をリース業という。リース期間はその物件の経済耐用年数に合わせて決められ,その間,借手になる企業は物件の購入価格に金利税金,保険料および手数料を加えた金額を月割りにして,リース料という形でリース会社に支払う。

 リース業は第2次大戦後アメリカにおいて発展した。日本のリース業は1963年の日本リース・インターナショナル(現,日本リース)の設立に端を発する。その後,昭和40年代を通じ,都市銀行や商社系のリース会社の設立が相次いだ。また,73年ころからは地方銀行や相互銀行の多くが,先発の大手リース会社との提携によりリース会社を設立し,リース市場は地方にも拡大した。最近では,メーカー,信用金庫流通業者信販会社,生命保険などが相次いでリースに進出しており,業界団体のリース事業協会加盟の企業だけでも208社(1984年4月)を数える。リース契約額でみた市場規模は1963年度の7億円から83年度の3兆円,96年度の6.4兆円へと急増している。このように高成長を続けている背景としては,(1)担保不要,(2)リース料は経費として全額損金算入できる,(3)リース期間を短く設定することにより,加速度償却(〈減価償却〉の項参照)と同じような効果が生じる,(4)税金や保険手続など,設備を所有する場合に必要な事務処理が不要になる,(5)リースは借入債務ではないので,貸借対照表上に表示する義務がない,といった利点がユーザーに広く認識されるようになったことがある。

 リース物件としては,各種工場の生産設備,ホテル,レストラン,スーパーなどの内装設備,事務機器,医療機器,自動車,船舶航空機など,企業の使用する機械・設備のほとんどが対象になる。とくに最近では,事務や生産の合理化・省力化のために,大型汎用コンピューター,ネットワークシステム関連機器,ファクシミリといったOA関連機器やNC数値制御)付き工作機械,産業用ロボットなど,技術革新のテンポの速い物件のリースが急増している。またリース大手各社(オリックス,日本リース,芙蓉(ふよう)総合リースなど)は,航空機や鉄道車両,プラントなどの国際リース(あるいは割賦販売)にも力を注いでおり,国内においても,割賦販売をはじめ,企業貸付け,住宅ローン,消費者信用などリース以外の分野にも積極的に進出している。
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百科事典マイペディア 「リース業」の意味・わかりやすい解説

リース業【リースぎょう】

顧客の要求によって業者が各種の物的資産を購入し,それを3〜5年の長期にわたって顧客に貸し付けるのを業務とする産業。設備投資資金の負担軽減や税制上の利点により,広範に利用されている。1998年度のリース契約高は全体で7兆1445億円にのぼる。
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