大学事典 「EPSCP」の解説
EPSCP[仏]
ウーペーエスセーペー
フランスの教育法典L711-1が定める「学術的・文化的・職業専門的な性格を有する公共施設(フランス)」。大学などの国立の高等教育機関に与えられる法的地位を指す。教育・学術・行政・財政のそれぞれにおいて自治が許される。1968年11月の高等教育基本法(エドガール・フォール法)によりEPSC(Établissement public à caractère scientifique et culturel,学術的・文化的性格を有する公共施設(フランス))が定められ,1984年のサヴァリ法により「職業専門的」(professionnel)がつけ加えられたという経緯がある。EPSCPには大学のほかに,高等師範学校(エコール・ノルマル・シュペリウール),技師学校,外国にあるフランス学校,さらに「グラン・ゼタブリスマン(フランス)」(grands établissements)が含まれる。「グラン・ゼタブリスマン」とは,コレージュ・ド・フランス,自然史博物館,そしてグランド・ゼコールのような由緒ある特別教育機関を指す。それらに対しては,コンセイユ・デタでの議を介して大学にはないさまざまな特例(たとえば独自の学費の設定)が認められる。パリ-ドフィーヌ大学(2004年)やロレーヌ大学(2011年)のように,大学からグラン・ゼタブリスマンへの移行を果たした「大学」もある。
著者: 岡山茂
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報