GTL(読み)ジーティーエル

化学辞典 第2版 「GTL」の解説

GTL
ジーティーエル

gas to liquidsの略称.一般に,気体燃料をより取り扱いの容易な液体燃料へ転換することをいう.代表的な例は,フィッシャー-トロプシュ合成を利用した天然ガス原料とする液体燃料の合成である.天然ガスを改質して合成ガスとした後に,鉄,コバルトルテニウムなどの金属触媒を用いて以下の式により炭化水素混合物を得る方法.

そのほか,合成ガスからメタノールを合成し,さらにジメチルエーテルメチル=tert-ブチルエーテル(MTBE),あるいはガソリン(MTG法)を合成する方法などがある.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

知恵蔵 「GTL」の解説

GTL

天然ガスを原料として化学反応でガソリン・軽油等の液体燃料に転換したもの。天然ガスは、輸送貯蔵のためには極低温液化するか、パイプライン輸送を必要としていた。GTL技術によって、天然ガスの輸送・貯蔵が簡便になり、自動車排出ガスの低減対策のためのクリーンな燃料にもなる。マレーシア南アフリカで商業規模のプラントが稼働中。中でも、DME(ジメチルエーテル)は、液化も取り扱いも簡便なGTL燃料の1つとして注目されている。

(飯田哲也 環境エネルギー政策研究所所長 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android