MTG法(読み)エムティージーホウ

化学辞典 第2版 「MTG法」の解説

MTG法
エムティージーホウ
methanol to gasoline process

1976年にアメリカのMobil Oil社が公表した,メタノールからのガソリン合成法.口径が0.6 nm 程度の三次元細孔構造をもったZSM-5型ゼオライト触媒として用いることで,その形状選択性により,メタノールから C6~C10 の分枝アルカン芳香族に富んだ炭化水素(高オクタン価ガソリン)が高収率で得られる.1985年にニュージーランドにおいて天然ガス原料としてメタノールを合成し,これを転換してガソリンを得るプロセス商業稼働したが,現在では稼動しているプロセスはない.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のMTG法の言及

【石炭液化】より

…この方法は現在も南アフリカ共和国のサゾール社で工業的規模において実施されているが,生産される液体燃料は主としてパラフィン炭化水素で,ディーゼル軽油としては好適であるが,ガソリン留分はそのままではオクタン価が低い欠点がある。そこで,合成ガスからひとまずメタノールを製造し,メタノールから高オクタン価ガソリンを生産するMTG法が1970年代に開発された。メタノールからガソリンへの変換工程にはZSM‐5と呼ばれる特別な合成ゼオライト(沸石)が用いられる。…

※「MTG法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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