出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報
…(2)胎盤の内分泌 妊娠中,胎盤は卵巣や脳下垂体前葉の機能を肩代りする形で,独立した内分泌器官として活動し,一群のステロイドホルモンやタンパク質ホルモンを分泌して妊娠の維持を図る。ステロイドホルモンとしてはプロゲステロンとエストロゲンが,タンパク質としてはヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCGと略記)とヒト胎盤ラクトーゲン(hPLと略記)が主要なものである。 プロゲステロンは,妊娠第7週以後は主として胎盤の合胞体栄養膜細胞から産生される。…
…生殖腺(性腺)刺激ホルモンともいう。脊椎動物では,脳下垂体前葉から分泌される卵胞(濾胞)刺激ホルモンfollicle‐stimulating hormone(FSHと略す)と黄体形成ホルモンluteinizing hormone(LHと略す)または間質細胞刺激ホルモンinterstitial cell‐stimulating hormone(ICSHと略す)の2種のホルモンと,胎盤から分泌される絨毛(じゆうもう)(膜)性ゴナドトロピンchorionic gonadotropin(CGと略すが,ヒトの場合はhCGと略す)が含まれる。ともに糖タンパク質で,ヒトのFSHは分子量約3万5000,LH,hCGは約3万である。…
…ごくまれに,妊娠と関係なく卵巣や睾丸(この場合は男子に)に奇形腫として絨毛癌が発生することがある(これを奇形腫性絨毛癌という)。絨毛癌は正常妊娠時におけると同様のホルモン(絨毛性ゴナドトロピン,human chorionic gonadotropin,hCG)を産生するので,腫瘍の病勢の指標としてhCG測定が用いられる。日本を含むアジア地域で発生頻度が高く,日本での女性人口10万当りの罹患率は0.22(1980)である。…
※「hCG」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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