日本大百科全書(ニッポニカ) 「HLB」の意味・わかりやすい解説
HLB
えいちえるびー
界面活性剤の親水性‐親油性比hydrophile-lipophile balanceの意味であり、普通、頭文字でよばれる。乳化剤として界面活性剤を使用するときに、安定な乳濁液(エマルジョン)を得るための指標として用いられる。1949年にアメリカのアトラスパウダー社のグリフィンによって唱えられた。この値は乳化実験あるいは式から算出される。グリフィンによると非イオン界面活性剤のHLBは次式で計算される。
HLB=20(MH/M)
ここでMHは親水基部分の分子量、Mは界面活性剤の分子量である。
HLBが1から5までの界面活性剤は油中水型(water in oil W/O)エマルジョンの調製に適しており、7から18までの界面活性剤は水中油型(oil in water O/W)エマルジョンの調製に適している。安定なエマルジョンを調製することは、塩化ビニルのような合成高分子の製造や、化粧品の製造、アスファルトエマルジョンの製造などの各分野で重要な意味をもっている。
[早野茂夫]