翻訳|emulsion
コロイド分散系のなかで、分散媒も分散質もともに液体であるものをさす。乳濁質あるいは乳濁液ともいう。なお最近ではエマルションということも多い。身近な例としてはミルク(牛乳)がある。分散の度合いや分散粒子の性質などによって、エマルジョンの粘度はかなり大幅に変化するので、常温ではほとんど液体としての性質を示さないものすらある。流動性をもつもののみを乳濁液とよび、乳濁質は流動性の有無によらない総称として区別して用いる。
水と油からエマルジョンが生じる場合、水の中に油滴が分散したもの(水中油滴型)と、油の中に水滴が分散したもの(油中水滴型)の2種類のものが考えられる。前者の例としてはミルクのほかにマヨネーズソースなど、後者はバターやマーガリンなどがある。水中油滴型はo/w型、油中水滴型はw/o型のように略記することが多い。w/o、o/wの判定には、エマルジョンが水で薄まるか、それとも油で薄まるかをみればよい。水で薄まればo/w型、油ならw/o型である。エマルジョンでは、温度や組成によってo/w型とw/o型が可逆的に変化することがよくあるが、この現象は「転相」という。エマルジョンの利用は、印刷や塗料、紡糸あるいは高分子の重合などにも利用されているが、食品や化粧品その他、身近な例は枚挙にいとまがないほど多い。
エマルジョンを安定に保持するためには、よく界面活性剤が用いられる。これを乳化剤という。せっけんなどの洗剤のほか、大豆レシチンや卵黄、アルギン酸など天然のものが食品に応用されている。
[山崎 昶]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…エマルジョンともいう。ある液体中にこれと混じり合わない他の液体が微細粒子となって分散,浮遊している液体混合物。…
※「エマルジョン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新