普通(読み)フツウ

デジタル大辞泉「普通」の解説

ふ‐つう【普通】

[名・形動]特に変わっていないこと。ごくありふれたものであること。それがあたりまえであること。また、そのさま。「今回は普通以上の出来だ」「普通の勤め人」「朝は六時に起きるのが普通だ」「目つきが普通でない」
[副]
たいてい。通常。一般に。「普通七月には梅雨が上がる」
(「に」を伴って)俗に、とても。「普通においしい」
[補説]2は、「通におもしろかった」のように、称賛するほどではないが期待以上の結果だったという意味合いで、肯定的な表現と組み合わせて2000年代から用いられるようになった。
[用法]普通・普段通常――「普通(普段・通常)は六時半に起きる」のように、へいぜいの意では相通じて用いられる。◇「普通」は意味の範囲が広く、「どこにでも普通に生えている草」のように、ありふれている、珍しくないの意、「ごく普通の子」「普通科」のように、特に変わりがない・平均的・一般的なの意に使われる。これらは「普段」「通常」は使えない。◇「普段」は、常日ごろの意に重点があり、「普段の力を出せた」「普段の心がけの問題だ」などでは「普通」「通常」は使えない。◇「通常」は文章語的。いつもどおりで特別の事情がないこと・場合をいう。「勤務時間は通常九時から五時までとする」は、「普通」も使えるが、特別の事情があれば変わることもあるという含みも込められている。
[類語](平凡ありきたり凡俗ありふれる一般一般的尋常通常平常通例標準標準的平均的つねただ当たり前常並み世間並み十人並み月並み凡庸日常茶飯日常茶飯事平平凡凡常套決まりお定まり平板類型的紋切り型芸がないノーマルレギュラースタンダード/(通例通常大抵たいてい大体だいたい大概たいがい概して一般に全般に総じて多くおしなべておおむね一体に総体およそ・広く・遍く広い幅広い手広い広範広範囲多方面多角多面多岐さまざま各種種種諸種いろいろ多様多様化多面的多種多種多様多彩数数いろんなとりどり色とりどり諸諸もろもろ百般万般諸般多元多元的多角的横断的複眼的
[補説] 
2017年に実施した「あなたの言葉を辞書に載せよう。2017」キャンペーンでの「普通」への投稿から選ばれた優秀作品。

◆上を見たらきりがないぞと諦めながら、下を見たらまだまだいるぞと安堵できる場所および立場。
さん

◆何でもないように見えて、じつはとても幸せなこと。
まみさん

◆当たり障りのない言葉として選ぶ、便利な語。
レシナさん

◆自己の型、基準。人は「普通は…」と述べ自分の感覚に周囲の世界をねじ込もうとする。
かなへさん

◆無意識に習慣づいたこと。
マキノさん

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典「普通」の解説

ふ‐つう【普通】

〘名〙
① (形動) ごくありふれていること。通常であること。また、そのさま。一般。なみ。
江談抄(1111頃)六「和帝景帝元武紀等有読消処事 〈〉俗人無此音之者、雖普通事之歟」
曾我物語(南北朝頃)二「これ、ふつうのにあらず、ただ天命の致す所なり」
② (━する) 広く一般に通じること、または通じさせること。また、ある範囲内の物事すべてに共通し、例外のないさま。
公議所日誌‐三・明治二年(1869)三月「紙幣を普通するの法を立て」
※一年有半(1901)〈中江兆民〉三「科学を普通にすること、是れ人々の皆認めて必要とする所也」
[語誌](1)現代中国語に「普通」は存在するが、古典漢籍・漢訳仏典には用例が見いだせない。
(2)明治初期には②の意味で多く用いられ、「する」を伴ったサ変動詞の用法も見られる。「制限選挙」の対義語としての「普通選挙」のように、ある資格を必要とせず、万民が享受できるものを「普通」と呼んだものと思われる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

七夕

旧暦 7月7日の夜に,天の川(→銀河系)の両岸にある牽牛星(ひこぼし。わし座のα星アルタイル)と織女星(おりひめ。こと座のα星ベガ)が年に一度相会するという伝説に基づいて,星をまつる行事。五節供の一つ...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android