Intel740

ASCII.jpデジタル用語辞典 「Intel740」の解説

Intel 740

Intelが1998年2月に発表したPC向けの3Dグラフィックスアクセラレーターチップ。Intel740は、AGP対応のPentiumⅡシステム向けに最適化されたグラフィックスアクセラレーターで、3Dアクセラレーション、動画再生サポート、2Dアクセラレーション、コンポジット入出力サポート機能などを持つ。Intel740には、高速な3D処理、およびクオリティの高いグラフィックス描画を可能にするために、HyperPipelined 3-Dと呼ばれる新しいアーキテクチャーが採用されている。このHyperPipelined 3-Dは、PDP(Parallel Data Processing)、PPI(Precise-Pixel Interpolation)、DME(Direct Memory Execution)という3つの機能で構成されている。このうちPDPは、パイプラインにより3D処理を高速に実行する機能で、複数の3D処理命令を同時実行可能にする。PPIは、Intel独自のテクスチャエンジンで、補間機能をチップ自体に持たせることで、品質の高いグラフィックス描画を可能にする。最後のDMEは、グラフィックスチップ-グラフィックスメモリー間での高速なデータ転送を可能にする機能で、これによりIntel740では、528Mbytes/secの高速なデータ転送が可能になっている。このようにIntel740では、高速なリアルタイム3D描画が必要とされるゲーム、大量のデータ転送をリアルタイムに行なう動画再生(DVDタイトルの再生など)などの高速化に主眼が置かれている。つまりコンシューマ向けのPCで利用されることを強く意識したグラフィックスアクセラレーターだといえる。もちろん、データビジュアライズやコンシューマCAD、3D描画を多用するWebサイトのアクセスなどでは、ビジネス用途としても活用できる。対応グラフィックスメモリー・サイズは2Mbytes、4Mbytes、8Mbytesの3種類で、チップパッケージにはエンハンストBGAを採用した。Intel740のOEMベンダー向けの出荷は1998年2月、発表時点の価格は、1万個の価格は34.75ドルになる予定。

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