J-Iロケット(読み)ジェーワンロケット(その他表記)J-I lauch vehicle

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「J-Iロケット」の意味・わかりやすい解説

J-Iロケット
ジェーワンロケット
J-I lauch vehicle

宇宙開発事業団宇宙科学研究所の協力を得て開発を進めていた小型人工衛星打ち上げ用ロケット。開発費と製造コストを低く抑えるため,第1段にH-IIロケットの補助ブースタ,第2段・第3段にM-3SII型ロケットの第2段・第3段を装備している。全長 33m,最大直径 1.8m,全重量約 90tで,地球周回の低軌道に約 1tのペイロード (許容搭載量) を運搬できる。静止衛星をはじめとする大型衛星の需要と並んで,数百 kgから 1t程度の小型衛星の需要が大幅に増えていく見通しがあり,これに応じて開発された。極超音速飛行実験 HYFLEX (hypersonic flight experiment) 機を搭載した1号機が 1996年打ち上げに成功。2号機打ち上げに向け開発が進められていたが,2001年宇宙開発委員会の計画見直しに伴い開発凍結となった。

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