金属中の伝導電子が,スピンをもった原子やイオン(局在スピン)の存在時にこれらと交換相互作用を起こし,スピンの向きが部分的に揃うようになる.この伝導電子が第二の局在スピンと相互作用を起こすため,結果的に双方の局在スピン間に相互作用が生じる.これをRKKY相互作用という.これは局在スピンが核スピンの場合にはルーダーマン(M. A. Ruderman)とキッテル(C. Kittel),電子スピンの場合には糟谷忠雄と芳田奎によってそれぞれ独立に導かれたもので,四人のイニシャルをとってRKKY相互作用と呼ばれている.