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伝導電子 でんどうでんしconduction electron

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

伝導電子
でんどうでんし
conduction electron

電気伝導にたずさわる電子。通常は結晶伝導帯にある自由電子のことをいう。

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デジタル大辞泉の解説

でんどう‐でんし〔デンダウ‐〕【伝導電子】

金属や半導体中で、電位差によって移動し、電気を伝導する自由電子

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大辞林 第三版の解説

でんどうでんし【伝導電子】

金属または半導体内で電位差によって移動し、電気伝導を起こす自由電子。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

伝導電子
でんどうでんし
conduction electron

物体中に電流が流れるとき、電荷を運ぶ「運び屋」は、イオンの場合もあるが、多くの場合は電子である。この「運び屋電子」を伝導電子という。古典電子論では、金属が電気と熱の良導体であるのは、自由に動き回ることのできる電子、すなわち自由電子をもっているためであると考えた。この場合、伝導電子は自由電子である。これに対して、絶縁体では、電子はすべてイオンに束縛されていると考えた。自由電子といっても、完全に自由なわけではなく、平均してある距離(物体によって異なる)を進むと散乱されて、平均速度が0となる。この距離を平均自由行程とよぶ。古典的な自由電子の考え方によって、物体の電気伝導熱伝導、光学的性質などをかなりよく説明することができた。しかし、実験技術の進歩によって、諸物性の精密な測定が可能になるにつれて、古典電子論では不満足な点が現れてきた。その代表的な例は電子比熱で、古典電子論から予想される値とはまったくかけ離れた小さな値しか示さない。これらの不一致を解決するために提案されたのが量子力学的電子論である。もっとも簡単なモデルは、箱の中に電子を閉じ込めた場合で、箱の中を電子は自由に動き回ることができることから、このモデルを自由電子モデルとよぶ。この場合の電子は、量子力学的な自由電子で、波動としての性質を備えている。実際の結晶中では、自由電子モデルとは異なり、イオンが規則正しく並んでいて、電子に対して周期的ポテンシャルをつくっている。このポテンシャルの影響によって、波動としての電子は、波長によっては結晶中で完全反射を受けることになる。実際には、このような波長に対応するエネルギーをもった電子は結晶中に存在できないことになり、結晶中の電子が占有することのできる電子の状態は、いわゆるエネルギー帯(エネルギー・バンド)構造をつくる。エネルギー帯を構成する状態の電子の数は有限で、しかも各状態には正および負のスピンをもつ電子がそれぞれ1個ずつしか入れないから、完全に電子で満ちたバンドと、部分的にしか満たされないバンドとが考えられる。完全に満ちたバンドでは、ある方向にある速度で動く電子があれば、かならず同じ速さで正反対の方向に動く電子があるので、伝導には関係しない。これに対して、部分的にしか満たされないバンドを伝導バンドといい、このバンドに属する電子だけが伝導電子として、電気や熱を運ぶことができる。このようなバンド理論によって、物体の電気的・熱的・磁気的・および光学的諸物性をよく説明することができる。[野口精一郎]

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世界大百科事典内の伝導電子の言及

【電気】より

電荷
[導体と絶縁体]
 電気的性質に着目するとき,物質は導体と絶縁体(誘電体ともいう)に大別され,さらにその中間の性質をもつものとして半導体がある。固体の導体すなわち金属では,結晶を構成する原子の原子価電子は,原子を離れて結晶中を動きまわれるので,伝導電子と呼ばれる。導体を電場の中に置くと,伝導電子が電場から力を受けて導体中を移動する。…

※「伝導電子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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