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交換相互作用 こうかんそうごさようexchange interaction

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

交換相互作用
こうかんそうごさよう
exchange interaction

原子のスピン間や異なる軌道上の電子間に働く見かけ上の相互作用。電子がフェルミ統計に従い,かつクーロン相互作用をしていることに起因する。電子のもつスピンの向きによるエネルギー状態の差を含めて,この関係を数学的に記述するのに -2Js1s2 という形が用いられる。これは場所1のスピン s1 と場所2のスピン s2 の向きによるエネルギー差を与える。係数 J が正ならば互いに平行になるほうがエネルギーが低く,J が負ならば反平行になるほうがエネルギーが低い。 (→ハイゼンベルク模型 )

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世界大百科事典 第2版の解説

こうかんそうごさよう【交換相互作用 exchange interaction】

物質の磁性を理解するための中心的な概念の一つ。ほとんどの場合,物質の磁気的性質は電子に由来する。さらに電子のスピン(電子の自転運動)がもつ磁気モーメントが磁性の担い手である場合が多い。この電子のスピンの向き(自転運動の軸)がそろうと,磁気モーメントの向きがそろい,強磁性が発現することになる。そのためには,スピンの向きをそろえるような力が二つのスピンの間に働かねばならない。この力が量子力学的に導かれる交換相互作用である。

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世界大百科事典内の交換相互作用の言及

【磁性】より

…局在電子系の物質にも遍歴電子系の物質にも強磁性を示すものがあるが,強磁性の原因となる相互作用はまったく量子力学に基づくものである。この相互作用は交換相互作用と呼ばれ,電子のスピンによる磁気モーメントの間に働く力である。W.K.ハイゼンベルクは,1928年の論文で初めて局在電子系での交換相互作用(ハイゼンベルク型交換相互作用)を導いたが,これはワイスの分子場の起源を与えるとともに,その後の局在電子系の磁性の大きな展開の始まりとなった。…

【ハートリー近似】より

…この方法では,一電子関数の積において電子をあらゆる方法で入れかえたものの線形結合をつくり,パウリの原理を満たさせ,一電子軌道を直交させる。この結果,電子の間には平均的運動から生ずるクーロン相互作用のほかに,電子の入れかえに起因する交換相互作用が現れる。後者は古典論に類似をもたない量子力学特有の力を生じ,強磁性の原因となる。…

※「交換相互作用」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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