知恵蔵 「SHM-CD」の解説
SHM-CD
ユニバーサルミュージックの新倉紀久雄氏が提案し、日本ビクターと共同開発したもので、2008年9月現在は、両社の他、テイチクエンタテイメントやワーナーミュージックジャパンでも採用されている。
一般的なCDとの違いは、記録面の素材として、一般的なCDが使っているものより透明度の高い液晶パネル用ポリカーボネートを採用していることと、製造時にも精度の高いプロセスを使っていること。結果的に、光ピックアップを使ってCDからデータを読み取る際の精度が高まり、エラー訂正の確率が下がる結果、音質が向上すると言われている。よりコストのかかる行程を経るため、一般的なCDより価格は高い。
すでに述べたように、データ規格的にはあくまで「CD」であり、収録された楽曲の音質は同じ。そのため、音質は向上するものの、向上の度合いは、SACDなどに比べ小さく、それなりに高品質なオーディオシステムでないと差がわかりにくい。そのため、効果を疑問視する声もある。
(西田宗千佳 フリージャーナリスト / 2008年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報