化学辞典 第2版 「SOG法」の解説
SOG法
エスオージーホウ
spin on glass method
スピンオングラス法ともいう.低温でSiO2などの絶縁膜や金属薄膜を形成する方法.SiO2膜形成では,テトラオルトシリケートまたはTEOS(テオス;テトラエトキシシランの略称)とよばれる原料を加水分解,重縮合することにより鎖状になり,分子量が増え粘性をあげたシロキサンをつくる.そしてこれを基板上へ垂らし,高速で回転して基板上へ広げて薄膜を形成する.400~450 ℃ 程度の加熱処理を行い,ガラス化を起こさせ安定な膜とする.シロキサンに不純物を混入させたSiO2をシリコン基板表面に形成して,これを1000 ℃ 程度の高温に保持して,不純物の拡散源として使用することも多い.また,合成のための原料をTEOSからほかのものにかえることで,SiN膜なども形成できる.最近は,テンプレートとよばれる絶縁膜の骨格を形成する原料に,絶縁膜の骨格が熱処理により固まりはじめる温度よりも少し低い200 ℃ 程度で蒸発する液を混入させ,多孔質低誘電率層間絶縁膜を形成する方法として注目されている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報