知恵蔵 「コストコ」の解説
コストコ
1976年、米国カリフォルニア州サンディエゴにある飛行機の格納庫を改造して作られた倉庫店「プライスクラブ」がその始まり。これとは別会社だった「コストコ」は、ワシントン州シアトルで83年に最初の倉庫店をオープンした。「コストコ」は、創業後6年未満で売り上げをゼロから30億ドルにまで伸ばしたアメリカ国内で最初の会社であるという。93年には「プライスクラブ」と「コストコ」が合併し、「プライスコストコ」の名で206店を有し、年間160億ドルを売り上げた。97年に社名を「コストコ」に改め、これまでに世界に展開したウェアハウス(倉庫店)は600店舗に迫る。コストコ社の企業哲学は「常に経費を節約し、その分を会員の皆様に還元していこう」というもの。会員制という基盤と購買力を背景に、効率化への追求によって、「会員の皆様への可能な限りの低価格」が実現しているとする。日本では、99年、福岡県の久山倉庫店開店を皮切りに、2000年に大規模小売店舗法が廃止され大規模小売店舗立地法に代わったことを機に各地で開店が相次ぎ、09年までに国内9店舗を展開。11年夏にも数店舗のオープンを予定している他、大都市圏を中心に各地に出店を計画している。
なお、東北地方太平洋沖地震では町田市の多摩境倉庫店が被災し、駐車場スロープの崩落により死傷者が出た。
(金谷俊秀 ライター / 2011年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報