日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブランド」の意味・わかりやすい解説
ブランド
ぶらんど
Marlon Brando
(1924―2004)
アメリカの映画俳優。ネブラスカ州オマハ生まれ。幼いころから反抗的で、陸軍士官学校を退学になる。役になりきるスタニスラフスキー・システム演技を学んでブロードウェーでE・カザン演出の『欲望という名の電車』(1948)で成功、カザンによる映画化(1951)に主演、『革命児サパタ』(1952)、『ジュリアス・シーザー』(1953)、『乱暴者(あばれもの)』(1954)などで異様な性的魅力を放ち、強烈な演技で人気スターになった。『波止場』(1954)でアカデミー主演男優賞を受け、『片目のジャック』(1961)では監督兼業に進出、やがて反体制的な態度をとるようになり、『ゴッドファーザー』(1972)ではアカデミー主演男優賞を拒否した。TVミニシリーズ『ルーツ2』(1979)のエミー助演男優賞は受け取った。ハリウッドでも最高のギャラをとり、『ラストタンゴ・イン・パリ』(1972)、『地獄の黙示録』(1979)、『白く渇いた季節』(1989)、『D.N.A』(1996)などに出演した。タヒチ諸島の小島に住んで自然食の研究をしていたこともある。
[日野康一]
『日野康一著『マーロン・ブランド 執念と反逆のスーパースター』(1988・芳賀書店)』▽『マーロン・ブランド他著、内藤誠・雨海弘美訳『母が教えてくれた歌――マーロン・ブランド自伝』(1995・角川書店)』