現実態(読み)げんじつたい(その他表記)energeia; actus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「現実態」の意味・わかりやすい解説

現実態
げんじつたい
energeia; actus

「現実態」とはアリストテレスにおいて,類比関係の共観によってのみ悟られうる「可能態」の対概念である。始源的意味をとどめて用いられる場合もあって多義的であるが,この原語は,限りのある行為としての運動から区別される完全な行為としての実現活動を意味する場合と,可能的存在に対応する実体ないしは形相の意味での現実態とに大別されうる。この対概念はアリストテレス後期の哲学を特徴づける中心的概念である。

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世界大百科事典(旧版)内の現実態の言及

【エネルゲイア】より

…〈現実性〉〈現実態〉〈現勢態〉〈現実活動〉などと訳される。〈デュナミスdynamis〉(〈可能態〉〈潜勢態〉。…

【西洋哲学】より

…この方が事態の本質をいっそう深く洞察していると言えよう。
【現実態(エネルゲイア)と可能態(デュナミス)】
 もっとも,プラトンによって導入された形而上学的思考様式は,まったく無抵抗に受けいれられたわけではない。こうした伝統に逆らって,〈自然〉を生きたものとして見ようとする思想は西洋哲学の底層部につねに伏在しており,折あるごとに顔をのぞかせる。…

※「現実態」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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