相摸(読み)さがみ

改訂新版 世界大百科事典 「相摸」の意味・わかりやすい解説

相摸 (さがみ)

平安朝の女流歌人生没年不詳。1061年(康平4)3月以後,60歳以上の年齢で没した。実父は不明,源頼光に養われる。母は慶滋(よししげ)保章女。相模守大江公資の妻となり,脩子内親王に仕えるが,藤原定頼,源資通,橘則長,藤原経衡と恋の贈答をし,定頼,則長とはとくに親密であった。《賀陽(かや)院水閣歌合》《永承四年内裏歌合》《皇后宮(きさいのみや)春秋歌合》に出詠し,家集《相摸集》《思女集》を残す。《後拾遺和歌集》を代表する歌人。勅撰集に109首入集。現実に即した細緻な歌を詠むが,虚構への関心も見せ,和歌史上注目される。〈恨みわびほさぬ袖だにあるものを恋に朽ちなむ名こそ惜しけれ〉が《百人一首》に収められている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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