超高齢社会(読み)チョウコウレイシャカイ

デジタル大辞泉 「超高齢社会」の意味・読み・例文・類語

ちょう‐こうれいしゃかい〔テウカウレイシヤクワイ〕【超高齢社会】

総人口に占める高齢者割合高齢社会よりも高くなった状態をいう。明確な定義はないが、65歳以上の人口比率が20ないし21パーセントに達したときにいう。→高齢化社会

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知恵蔵 「超高齢社会」の解説

超高齢社会

総人口において、一般的に高齢者とされる65歳以上の人口の割合(高齢化率)が21%を超える社会。日本は1980年代後半から急速に高齢化が進み、2007年には21%を超えて、諸外国に先駆けて超高齢社会に突入した。18年3月に沖縄県の高齢化率が21%を超えたことにより、全都道府県で超高齢社会となっている。
17年10月現在の高齢化率は27.7%。政府推計では今後も上昇し、36年に33.3%、65年には38.4%に達し、国民の約2.6人に1人が65歳以上となる社会が到来すると言われている。
高齢者を支える現役世代(20~64歳)の医療介護などにおける負担も大きくなり、2050年には、65歳以上1人に対して20~64歳1.2人が支えると推計されている。更に、75歳以上の後期高齢者が高齢者に占める割合が上がり、要介護者急増も見込まれるため、高齢者をどうやって支えていくのかが議論されている。
世界保健機関(WHO)などの定義では、高齢化率が7%を超えると「高齢化社会」、14%を超えると「高齢社会」、21%超は「超高齢社会」とされている。日本は1970年に高齢化社会、94年に高齢社会となった。
近年、核家族化が進み、世帯主が65歳以上の単独世帯夫婦のみの世帯が増加している。このため、高齢者が高齢者の介護をする「老々介護」が問題となっている。単独世帯が多い都市部では急速に高齢化が進んでおり、介護の問題は深刻化している。
このような状況を受け、各自治体は、高齢者が要介護状態になっても、可能な限り住み慣れた地域で生活できるよう、団塊の世代が75歳以上となる2025年をめどに、それぞれの地域の実情に合わせて自宅などで必要な医療・介護サービスを受けられる地域包括ケアシステムの構築を進めている。

(南 文枝 ライター/2018年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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