お半/長右衛門(読み)おはん/ちょうえもん

朝日日本歴史人物事典 「お半/長右衛門」の解説

お半/長右衛門

江戸時代の情話の主人公実説は宝暦11(1761)年4月,京都桂川で起きたお半殺し。詳細は不明で,長右衛門が懐妊したお半を親戚に預けに行く途中,あるいは奉公に連れて行く途中賊に殺されたという。しかし,事件直後上演された「曾根崎模様」では,心中劇として脚色されており,ふたりに対する同情を窺い知れる。代表作は安永5(1776)年10月初演「桂川連理柵」(菅専助作)。14歳の信濃屋の娘お半と38歳の帯屋の主人長右衛門が,ふとしたことから関係を持ち,進退きわまって心中にむかう。<参考文献>土田衛「『桂川連理柵』の実説とその成立」(『愛媛大学紀要』1963年12月号)

(武藤純子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

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