デジタル大辞泉
「つやつや」の意味・読み・例文・類語
つや‐つや
[副]
1 あとに打消しの語を伴って、それを強める気持ちを表す。少しも。まったく。
「かくて御身と相見んとは、―思い掛けざりき」〈鴎外訳・即興詩人〉
2 完全に。すっかり。
「―と世の失せ侍りぬるぞとよ」〈愚管抄・七〉
3 じっくり。つくづく。
「国司の姿を―とうち眺め」〈浄・当流小栗判官〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
つや‐つや
〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
①
物事が徹底しているさまを表わす語。まるっきり。きれいさっぱり。すっかり。まったく。
※愚管抄(1220)七「さながらからすを鵜に使はるることにて侍めれば、つやつやと世のうせ侍りぬるぞとよ」
(ロ) 否定辞を伴った表現に用いる場合。
※宇治拾遺(1221頃)一「翁顔をさぐるに年比ありし癭
(こぶ)、あとかたなく、かいのごひたるやうに、つやつや
なかりければ」
② 物事をじっくり行なうさまを表わす語。よくよく。つくづく。つらつら。
※
浄瑠璃・源氏供養(1676)四「
源氏物語を取り開き、つやつや是を見て」
③ すっかり寝入るさまを表わす語。すやすや。とろとろ。
※浄瑠璃・
釈迦八相記(1669)三「今は御身も、つかれはて、御枕をかたぶけ、つやつや、まどろみ給ひける」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報