はしか騒動(読み)はしかそうどう

知恵蔵 「はしか騒動」の解説

はしか騒動

2007年の5月から6月にかけて首都圏を中心にはしか流行し、10〜20代の若者の間に感染者が広がった。東京六大学をはじめ大学や高校休校措置がとられるなど、教育現場で大きな影響が出た。感染者が十数人を超えたことで休校となったのだが、それだけはしかの感染力が強いのである。ちなみに今回の流行に関しては、今の若者たちが必ずしも予防接種を受けていないことや、受けていても、近年、はしかが流行ってなかったので抵抗力が弱まってしまったからだという説明がなされている。これはある意味、皮肉なことである。実際、自分の生活空間を過度に清潔にしすぎたりすると、かえって体の抵抗力が弱まって、ちょっとした雑菌体調を崩してしまう可能性が高まる、ということを意味している。

(稲増龍夫 法政大学教授 / 2008年)

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