やせ薬(読み)やせぐすり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「やせ薬」の意味・わかりやすい解説

やせ薬
やせぐすり

肥満症の治療に用いられる薬剤をいう。やせ薬には、エネルギーの消費を促進させて体重を減少させるものとして、甲状腺(せん)ホルモン、トリヨードチロニン、成長ホルモンがあり、食欲抑制薬としてはアンフェタミンマジンドールなどがある。そのほか、消化・吸収阻害剤(α(アルファ)‐アミラーゼ阻害剤、α‐グルコシダーゼ阻害剤、ショ糖ポリエステル、物理的吸収阻害剤、ネオマイシンコレスチラミンなど)、脂肪代謝阻害剤(ヒドロキシシトレート、ジヒドロエピアントロステロンなど)、ホルモン分泌異常改善薬が肥満症の薬物療法として用いられる。このうち、食欲抑制薬としてのアンフェタミンは覚醒(かくせい)剤であり、日本ではこの目的で使用できない。一般的に薬として使用されるのは甲状腺製剤であるが、これも副作用が多く、十分な注意が必要である。通常やせるためには食事療法が行われ、ノンカロリーや低カロリーの食品が利用される。

[幸保文治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android